ウラルアルタイ語族(読み)ウラルアルタイゴゾク

デジタル大辞泉 「ウラルアルタイ語族」の意味・読み・例文・類語

ウラルアルタイ‐ごぞく【ウラルアルタイ語族】

Ural-Altaicウラル語族アルタイ諸語は同系統であろうという仮定に立った両者総称。19世紀以来この説は繰り返されているが、まだ証明されるには至っていない。

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精選版 日本国語大辞典 「ウラルアルタイ語族」の意味・読み・例文・類語

ウラル‐アルタイ‐ごぞく【ウラルアルタイ語族】

  1. 〘 名詞 〙 ウラル語族とアルタイ諸語を同系言語であるとかつて想定して与えた名称。現在は切り離して考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウラルアルタイ語族」の意味・わかりやすい解説

ウラル・アルタイ語族
うらるあるたいごぞく

ウラル山脈を挟んで東と西に広がるウラル諸語と、東アジアから中央アジアに及ぶアルタイ諸語とをまとめた語族の総称。エストニアの言語学者ウィーデマンF. J. Wiedemann(1805―87)は1838年に、ウラル語とアルタイ語の間に次のような共通点があるから、両語族は言語的親縁関係をもつと主張した。(1)母音調和がある。(2)文法上の性がない。(3)冠詞がない。(4)語形変化は接尾辞膠着(こうちゃく)による。(5)名詞に所有語尾がつく。(6)動詞に派生形が多い。(7)後置詞を用いる。(8)修飾語が被修飾語の前にたつ。(9)数詞のあとには単数名詞がくる。(10)形容詞により比較するとき、奪格「~より」を用いる。(11)「持つ」のかわりに「だれだれに何々がある」という。(12)特別な否定動詞がある。(13)問いの文では疑問詞を用いる。(14)接続詞のかわりに、動詞から派生した名詞や動詞から派生した副詞を用いることが多い。

 この説はフィンランドの言語学者カストレンや日本の言語学者藤岡勝二により支持された。しかし、ウラル語とアルタイ語の間に、基本的語彙(ごい)における音韻対応を確認することができないので、両語族を統合させるのは無理である。

小泉 保]

『村山七郎著『日本語の誕生』(1979・筑摩書房)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ウラルアルタイ語族」の意味・わかりやすい解説

ウラル・アルタイ語族 (ウラルアルタイごぞく)
Ural-Altaic

ウラル語族とアルタイ諸語の間に親族関係を想定し,その総称として用いられるが,多く研究にもかかわらず,両者の親縁関係は明らかにはなっていない。むしろ研究の成果は,両者の関係を凝集させるよりも拡散させる傾向にあり,その意味で両者は区別されるべき語族である。
アルタイ諸語 →ウラル語族
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百科事典マイペディア 「ウラルアルタイ語族」の意味・わかりやすい解説

ウラル・アルタイ語族【ウラルアルタイごぞく】

ウラル語族の諸言語とアルタイ諸語とを系統的に結びつけて呼ぶ名称。しかし,これら諸言語の親族関係はウラル語族内部の諸言語を除けば,確立されたわけではないため,この名称はほとんど用いられていない。アルタイ諸語に朝鮮語やさらに日本語をも含ませようとする説もある。
→関連項目上代特殊仮名遣い

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旺文社世界史事典 三訂版 「ウラルアルタイ語族」の解説

ウラル−アルタイ語族
ウラル−アルタイごぞく
Ural-Altaics

ユーラシア大陸北部に分布する言語族
現在はこれらを一括することは疑問視され,ウラル語族とアルタイ語族に大別される。前者にはフィンランド語・エストニア語・ハンガリー語などのフィン−ウゴル語派とサモイェード諸語があり,後者にはトルコ語群・モンゴル語群・ツングース語群があり,朝鮮語・日本語もおそらくこれに属すると考えられている。

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