ウラル山脈を挟んで東と西に広がるウラル諸語と、東アジアから中央アジアに及ぶアルタイ諸語とをまとめた語族の総称。エストニアの言語学者ウィーデマンF. J. Wiedemann(1805―87)は1838年に、ウラル語とアルタイ語の間に次のような共通点があるから、両語族は言語的親縁関係をもつと主張した。(1)母音調和がある。(2)文法上の性がない。(3)冠詞がない。(4)語形変化は接尾辞の膠着(こうちゃく)による。(5)名詞に所有語尾がつく。(6)動詞に派生形が多い。(7)後置詞を用いる。(8)修飾語が被修飾語の前にたつ。(9)数詞のあとには単数名詞がくる。(10)形容詞により比較するとき、奪格「~より」を用いる。(11)「持つ」のかわりに「だれだれに何々がある」という。(12)特別な否定動詞がある。(13)問いの文では疑問詞を用いる。(14)接続詞のかわりに、動詞から派生した名詞や動詞から派生した副詞を用いることが多い。
この説はフィンランドの言語学者カストレンや日本の言語学者藤岡勝二により支持された。しかし、ウラル語とアルタイ語の間に、基本的語彙(ごい)における音韻対応を確認することができないので、両語族を統合させるのは無理である。
[小泉 保]
『村山七郎著『日本語の誕生』(1979・筑摩書房)』
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