翻訳|emanation
放射性希ガス元素の一般的な総称。エマナチオンともいう。天然に存在するものはラドンの同位体222Rn(ラドン),220Rn(トロン),219Rn(アクチノン)であり,その他人工的につくられたアルゴンの同位体37Ar,41Ar,クリプトンの同位体87Kr,キセノンの同位体133Xe,135Xeなどがそうである。キュリー夫妻は放射能の研究中,ラジウム化合物の周囲の空気が放射性を示すことに気づいたが,E.ラザフォードはこれが希ガス元素に属する放射性気体によるものであることを確かめ,これをラジウムエマネーションと呼んだ(のちに,ラジウムから変脱生成するものだということでラドンの名称が与えられた)。さらに同じようにしてトリウムからトリウムエマネーション(トロン),アクチニウムからアクチニウムエマネーション(アクチノン)も見いだされ,一般にエマネーション(emanateは放射するという意)と総称され,記号もEmとされたが,これらはすべてラドンに統一された。
執筆者:中原 勝儼
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ラドンRnの歴史的名称.1899~1900年当時,R.B. Owensとともにトリウムを研究していたE. Rutherford(ラザフォード)は,トリウムから発生する放射性の気体をエマネーションとよんだ.1900年にラジウムからも放射性気体が発生することをM. and P. Curie(キュリー)夫妻,F.E. Dornが見つけ,これをラジウムエマネーション,トリウムからのものをトリウムエマネーションと区別した.1903年にはF. GieselとA.L. Debierneが独立にアクチニウムAcからの放射性気体を発見,1906年に両者が同一核種であることが確認され,アクチニウムエマネーションとなった.それぞれを短縮してラドンRn,トロンTn,アクチノンAnともよばれた.1910年に分離に成功したW. Ramsay(ラムゼー)は,低温の固体が橙黄色のりん光を発するところから,ラテン語の“輝く”を意味する言葉nitorをもとに,すべてをまとめてニトン(Niton,記号Nt)と命名することを提案し,1912年のInternational Commission for Atomic Weightsで受け入れられた.しかし,1923年に至りIUPACは,F.W. AstonらのInternational Committee on Chemical Elementsで,それぞれの核種に暫定的に,ラドンRn(222Rn),トロンTn(220Rn),アクチノンAn(219Rn)を残したが,元素名としてはラドンRnを選択した.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… ルネサンスまでの中世ヨーロッパの学問の中心をなしていたのは,アリストテレス主義をキリスト教と結びつけたスコラ学であったが,ルネサンスに入ってプラトン主義や新プラトン主義が大々的に紹介された。天体のアニミズムとでもいうべき思想をもち,〈流出emanation〉という概念でいっさいの現象を説明する新プラトン主義は,この時代の占星術にとって,理論上の根拠を提供した。天体の力が〈流出〉する現象は,人間の側から見れば,〈流入influence〉である。…
※「エマネーション」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新