エンタルピー(英語表記)enthalpy

翻訳|enthalpy

精選版 日本国語大辞典 「エンタルピー」の意味・読み・例文・類語

エンタルピー

〘名〙 (enthalpy) 熱力学的な物理量一つ物質または場の内部エネルギーと、それが定圧下で変化した場合に外部にあたえる仕事との和。定圧下でのエンタルピーの変化量は、その物質または場に出入りするエネルギー量に等しい。熱関数熱含量

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「エンタルピー」の意味・読み・例文・類語

エンタルピー(enthalpy)

《温まる意のギリシャ語から》熱力学的な物理量の一。物質または場の内部エネルギーと、それが定圧下で変化した場合に外部に与える仕事との和。定圧下でのエンタルピーの変化量は、その物質または場に出入りするエネルギー量に等しい。熱関数。熱含量。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「エンタルピー」の意味・わかりやすい解説

エンタルピー
enthalpy

エネルギーの次元をもつ熱力学的な状態量。内部エネルギーをU圧力p体積Vとしたとき,エンタルピーHHUpVによって定義される。圧力一定という条件での平衡状態は,エンタルピー最小の原理によって決定されるが,これはエントロピーSとするとdHTdSVdpの関係式が成立することから導かれる(Tは絶対温度)。エンタルピーという言葉は,1909年カメルリン・オンネスによって,温まるという意味のギリシア語enthalpeinにちなんで命名されたもので,一定の外圧もとで系が吸収する熱量を表すために用いられた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エンタルピー」の意味・わかりやすい解説

エンタルピー
enthalpy

熱含量,熱関数ともいう。熱力学的関数の1つ。内部エネルギーを U ,圧力を p ,体積を V とするとエンタルピー HHUpV で定義される。語源はギリシア語のエンタルポー (温まる) に由来する。等圧のもとにおける微小変化に対しては,発生または吸収される熱量はエンタルピーの変化で示される。微分形の関係式は dHTdSVdp である。断熱・等圧のもとにおける系の平衡の条件は,H極小になることである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「エンタルピー」の解説

エンタルピー
エンタルピー
enthalpy

熱含量ともいう.熱力学的関数の一つ.記号H

HUpV
で定義される.Uは内部エネルギー,pは圧力,Vは体積.定圧下における有限の変化に対するエンタルピー変化は

ΔH = ΔUpV).
化学問題で重要なのはH絶対値ではなく,その変化ΔHである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「エンタルピー」の意味・わかりやすい解説

エンタルピー

熱力学的関数の一つ。物体の内部エネルギーをU,圧力をp,体積をVとするとき,H=U+pVをエンタルピーという。等圧変化では物体のエンタルピーの微小変化は外部から与えられた熱量に等しい。〈暖まる〉を意味するギリシア語からカメルリン・オンネスが命名。またギブズの命名により熱関数ともいう。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「エンタルピー」の解説

エンタルピー

 熱含量ともいう.Hで表されHUPVUは内部エネルギー,Pは圧力,Vは体積.一定の圧力のもとではエンタルピーの変化は熱量計で測定できる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エンタルピー」の意味・わかりやすい解説

エンタルピー
えんたるぴー

熱含量

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android