エンタルピー(英語表記)enthalpy

翻訳|enthalpy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

熱含量,熱関数ともいう。熱力学的関数の1つ。内部エネルギーを U ,圧力を p ,体積を V とするとエンタルピー HHUpV で定義される。語源はギリシア語のエンタルポー (温まる) に由来する。等圧のもとにおける微小変化に対しては,発生または吸収される熱量はエンタルピーの変化で示される。微分形の関係式は dHTdSVdp である。断熱・等圧のもとにおける系の平衡の条件は,H が極小になることである。

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百科事典マイペディアの解説

熱力学的関数の一つ。物体の内部エネルギーをU圧力p体積Vとするとき,H=U+pVをエンタルピーという。等圧変化では物体のエンタルピーの微小変化は外部から与えられた熱量に等しい。〈暖まる〉を意味するギリシア語からカメルリン・オンネスが命名。またギブズの命名により熱関数ともいう。

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栄養・生化学辞典の解説

 熱含量ともいう.Hで表されHUPVUは内部エネルギー,Pは圧力,Vは体.一定の圧力のもとではエンタルピーの変化は熱量計で測定できる.

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世界大百科事典 第2版の解説

エネルギーの次元をもつ熱力学的な状態量。内部エネルギーをU,圧力をp,体積をVとしたとき,エンタルピーHHUpVによって定義される。圧力一定という条件での平衡状態は,エンタルピー最小の原理によって決定されるが,これはエントロピーをSとするとdHTdSVdpの関係式が成立することから導かれる(Tは絶対温度)。エンタルピーという言葉は,1909年カメルリン・オンネスによって,温まるという意味のギリシア語enthalpeinにちなんで命名されたもので,一定の外圧のもとで系が吸収する熱量を表すために用いられた。

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大辞林 第三版の解説

熱力学で用いる物理量の一。圧力と体積との積に内部エネルギーを加えた量。圧力一定の条件のもとで、系に出入する熱量はエンタルピーの変化量に等しい。熱関数。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (enthalpy) 熱力学的な物理量の一つ。物質または場の内部エネルギーと、それが定圧下で変化した場合に外部にあたえる仕事との和。定圧下でのエンタルピーの変化量は、その物質または場に出入りするエネルギー量に等しい。熱関数。熱含量。

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化学辞典 第2版の解説

熱含量ともいう.熱力学的関数の一つ.記号H

HUpV
で定義される.Uは内部エネルギー,pは圧力,Vは体積.定圧下における有限の変化に対するエンタルピー変化は

ΔH = ΔUpV).
化学の問題で重要なのはHの絶対値ではなく,その変化ΔHである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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