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オウムガイ オウムガイ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オウムガイ
オウムガイ

(1) Nautilus pompilius; pearly nautilus; emperor nautilus 軟体動物門頭足綱オウムガイ科。殻径 20cm,殻幅 9cm。殻は内巻きで,螺層は現れない。

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百科事典マイペディアの解説

オウムガイ

頭足綱オウムガイ科の軟体動物。イカ,タコの原始的な仲間。古生代に栄えたが,現在は1属4種のみで〈生きている化石〉といわれる。殻表は白色で一部に褐色の縞(しま)模様があり,長さ20cmで側面からみるとオウムの頭部に似る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オウムガイ
おうむがい / 鸚鵡貝
chambered nautiluspearly nautilus
[学]Nautilus pompilius

軟体動物門頭足綱オウムガイ科に属する海産動物。「生きている化石」といわれる種の一つで、フィリピンを中心とした西太平洋の熱帯域に分布する。水深200メートル付近の海底近くから、トラップ(籠網(かごあみ)の一種)によって捕獲される。[奥谷喬司]

形態

殻長20センチメートル、殻幅9センチメートルぐらいになり、同一平面上に内巻きの螺旋(らせん)状をした殻がある。殻表は白く、弱い成長線があり、光沢がある。橙褐色(とうかっしょく)の放射帯があり、周縁から中心に向かうが、周縁部のほうが幅広く、互いにつながっている。殻の巻きの中心は殻軸で、臍孔(へそあな)は開いていない。最後の層に巻き込むところには黒い色素の沈着した部分があり、このプロフィールがオウムの嘴(くちばし)を連想させるのが和名の由来である。殻内は真珠光沢が強く、内方にへこむ隔壁が30~35あり、多数の気室に分かれている。これらの気室は連室細管(れんしつさいかん)(サイファンクルsiphuncle)で通じていて、最後の動物体の入っている室を住房という。軟体のうち、外套膜(がいとうまく)に包まれた内臓塊はドーム状で、後端から連室細管が出る。背側には三角形をした堅い筋肉からなる頭巾(ずきん)があり、腹側には1枚の肉片が丸く管状に巻き込んでできた漏斗(ろうと)がある。軟体の構造は原始的で、えらが2対あるため、オウムガイ類全体が四鰓類(しさいるい)とよばれていたこともある。触手は、鞘形類(しょうけいるい)(イカ、タコ類)のように伸縮するのではなく、筋肉質の鞘(さや)に収まる。その数は雄が約60本、雌が90本ぐらいで、口を取り巻いて二重環状に配列する。吸盤がなく、筋肉質の環状筋の間に粘液を分泌する細胞があり、これで海底のほかの物に粘着する。目にレンズはなくキノコ形で、海水で満たされている。墨汁嚢(ぼくじゅうのう)はなく、顎板(がくばん)の形態も鞘形類とは異なる。[奥谷喬司]

生態

肉食性で、海底近くを遊泳しながら甲殻類などを食べる。泳ぐときは殻口を上にし、漏斗の向きにより前進・後退する。触手はおもに餌(えさ)を探したり、それを粘着させて把握するのに用いるが、目の周囲には警戒にあたる触手があるなど、機能分化している。また、触手には化学受容能があり、このためトラップの中に餌(おもに死魚)を入れておくと、これに引き寄せられてトラップに入る。
 産卵はサンゴ礁の浅い所で行い、口の周りに二重環状に配列された触手のうち内側のものを用いて、狭いすきまに、卵嚢を産み付ける。生活史の詳細は不明の部分が多い。[奥谷喬司]

近縁種

オウムガイ類は、地質時代区分でいう古生代カンブリア紀前期に現れ、オルドビス紀に栄え、デボン紀に及ぶとしだいに衰え、中生代三畳紀前期以後は現在に似た種類だけとなり、現生するものはオウムガイ科に属する4種のみとなった。この類の殻は、初めは直線的なものであったが、ついで角(つの)状に曲がり、しだいに巻いたものとなり、ついには現在のような内巻きとなったとされる。
 アンモナイト類もオウムガイ類に近縁であるが、古生代シルル紀前期にオウムガイ類の先祖と分かれ、中生代に栄えて絶滅した。外形はオウムガイ類と似てはいるが、隔壁が内くぼみでなく外方へ膨らみ、連室細管が隔壁中央部でなく殻の内側に沿って走る点のほか、縫合が複雑なところも異なっていて、オウムガイ類の直接の先祖ではない。
 オウムガイ類の現生種は、臍孔の開かないオウムガイとパラオオウムガイN. belauensis(パラオ諸島に分布)のほか、臍孔の開いたオオベソオウムガイN. macromphalus(ニュー・カレドニア島からフィジー諸島)およびヒロベソオウムガイN. scrobiculatus(ニューギニア島)の4種にすぎない。[奥谷喬司]

人間生活との関係

オウムガイ類の殻は単なる収集品だけでなく、磨いて真珠層を出した美しい加工品にされており、中世からヨーロッパの工芸品に利用されてきた。現在でもフィリピンでは収集のためや装飾用に年間何万個も捕獲され、肉は食用とされる。[奥谷喬司]

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