オオタカ(その他表記)Accipiter gentilis; northern goshawk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオタカ」の意味・わかりやすい解説

オオタカ
Accipiter gentilis; northern goshawk

タカタカ科全長は雄 50cm,雌 57cm。翼開張 105~130cm。頭から背面は灰黒色で,眼の上に白い眉線がある。胸から腹は白地灰褐色の細かい横斑が密に入り,尾の上面は灰黒色で黒い横帯が 3~5本ある。背面がより黒みの強いあるいは色の薄い亜種もいる。古くから鷹狩に用いられてきた代表的なタカ。アフリカ北端,ヨーロッパからユーラシア大陸東部,東アジア北部,カムチャツカ半島にかけての地域と北アメリカに広く繁殖分布する。おもに留鳥だが,一部は中国南西部や北アメリカの中部など暖地へ渡って越冬する。平地山地森林に生息し,巧みに飛び回って小鳥類キジ類,ウサギなどを追いかけて狩る。北アメリカでは標高 3000mの高地にも生息する。日本では北海道から九州地方で繁殖している。一時はたいへん減少したが,1993年に国内希少野生動物に指定されて以後は保護が進み,生息数がかなり増えた。(→タカ猛禽類

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改訂新版 世界大百科事典 「オオタカ」の意味・わかりやすい解説

オオタカ (大鷹)
goshawk
Accipiter gentilis

タカ目タカ科の鳥。ユーラシア大陸と北アメリカに広く分布し,林縁や浅い林に好んですむ。北方のものは,短距離の渡りをする。冬は単独で暮らしているが,雌雄とも春には前年の巣付近に戻り再びつがいとなる。日本では本州中部以北で繁殖する。イギリスでは,ふつうに繁殖していたが,狩猟鳥獣を捕獲するのでハンターに敵視されて激減した。全長48~62cm。雌のほうがひと回り大きい。羽色は,背面が暗褐色,腹面は白く細かい褐色の横斑がある。飛翔(ひしよう)は力強く軽快で,幅の広い翼と長い尾を自由に操って,木々の間を急旋回しながら飛ぶことができ,獲物を急襲する。また,枝に止まって待伏せをすることもある。鋭いつめで獲物をつかみ,くちばしで引き裂いて食べる。獲物はおもに各種の小型の鳥であるが,リス,キツネ,ノネズミなどもとる。巣は樹上の高所に小枝を積み重ねてつくり,5~6月ころ1腹3~4個の卵を産む。この種は古来から世界的に鷹狩りに使われてきた。日本でも,バン,キジ,カモ類,サギ類の猟に使われ,江戸時代にはツル類をもとらせた。英名は,ガン(gosは古い英語でgooseのこと)をとるタカを意味している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオタカ」の意味・わかりやすい解説

オオタカ
おおたか / 蒼鷹
goshawk
[学] Accipiter gentilis

鳥綱タカ目タカ科の鳥。ヨーロッパの大部分、アジア中北部、中国の山地、日本、北アメリカ大陸の中部で繁殖し、冬はやや南へ移動するものもある。日本では全国的にみられるが、繁殖が知られているのは本州中部以北である。全長約54センチメートル、翼長約33センチメートル。成鳥の上面は青灰黒色で、下面は白地に黒い横斑(おうはん)がある。若鳥は上面が褐色で、下面は白地に黒い縦斑がある。平地から山地にかけて森林の多い場所にすみ、高い木の上に枯れ枝で巣をつくる。短い滑翔(かっしょう)と速い羽ばたきを交互にして力強く飛び、カモ、シギ、ハトなどを後ろから襲って足のつめでつかむ。古来鷹狩(たかがり)にもっとも多く用いられてきたが、昔はガンやツルまでとらえさせた。

[高野伸二]

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百科事典マイペディア 「オオタカ」の意味・わかりやすい解説

オオタカ

タカ科の鳥。翼長は雌33cm,雄29cm内外,背面は暗灰色,腹面は白地に褐色の横帯がある。ユーラシア〜北米の中部に広く分布。日本では四国の一部,本州,北海道の低山から平地の林で繁殖。冬は平地でも見る。松などの樹上に巣を作り,動物,特に鳥類を捕食。鷹狩に用いられた。準絶滅危惧(環境省第4次レッドリスト)。
→関連項目タカ(鷹)ツミ

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世界大百科事典(旧版)内のオオタカの言及

【鷹狩】より

…鷹野,放鷹(ほうよう)ともいう。猛禽類のタカ(オオタカハイタカツミ),ハヤブサ(ハヤブサ,コチョウゲンボウ),ワシ(イヌワシクマタカ)などを馴養して,これらに常食の鳥獣を捕捉させ,それを遣(つか)い手がとりあげる間接的な狩猟法である。猟犬のように獲物を狩人の手元に持ち帰ることはない。…

※「オオタカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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