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オフィオライト ophiolite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オフィオライト
ophiolite

造山帯に産する超苦鉄質岩(有色鉱物の量が 70%以上の深成岩橄欖岩蛇紋岩など。→超塩基性岩),苦鉄質岩(同 70~40%の深成岩。斑糲岩粗粒玄武岩玄武岩など。→塩基性岩),チャートなどが複合して産するもの。海洋プレートの沈み込みに伴って付加または陸側に乗り上げた海洋プレートの断片と考えられる。形成後に変成作用を受けていることが多い。典型的なオフィオライトは下位から上位へ,橄欖岩(蛇紋岩),層状斑糲岩・橄欖岩分化岩,斑糲岩,粗粒玄武岩岩脈群,玄武岩(枕状溶岩),層状チャートの順で重なっている。

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デジタル大辞泉の解説

オフィオライト(ophiolite)

上位から下位へチャートを含む堆積(たいせき)岩、枕状溶岩、玄武岩、斑糲(はんれい)岩、橄欖(かんらん)岩と成層した複合岩体。海洋地殻の断片とする説がある。

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百科事典マイペディアの解説

オフィオライト

下位から上位に超苦鉄質岩(蛇紋岩など),苦鉄質岩(斑レイ岩・玄武岩など),海洋性の堆積岩(おもにチャート)が連続的な重なりをもって分布している岩体。当初は地向斜の初期火成活動の産物と考えられたが,現在では何らかの理由で陸上に顔を出した昔の海洋プレートの断片とされている。

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岩石学辞典の解説

オフィオライト

地向斜堆積物には玄武岩,橄欖(かんらん)岩,蛇紋岩などのマフィックから超マフィックの火成岩が多いことは古くから知られていた.オフィオライトはこのような所に産出する岩石群を一括して呼ぶ名称であるが,ブロニアールは19世紀初期に蛇紋岩に対して最初に使用した[Brongniart : 1813].opiというギリシャ語は蛇の意味である.しかしその後,蛇紋岩に伴って出現する雑多な岩石に対する野外の漠然とした岩石名として使用され,さらにスタインマンは地向斜期の火成活動でできたマフィックから超マフィックの火成岩群で,超塩基性および塩基性岩石が枕状熔岩やチャートと伴う組合せに使用した[Steinmann : 1906].次第に蛇紋岩や橄欖岩を主としたものはチャートとも関係のあることが強調され,さらに玄武岩や斑糲(はんれい)岩を主とする岩石群についても使用されるようになった.蛇紋岩,玄武岩質枕状熔岩,スピライト,チャートなどの組合せはスタインマンの三つ組(Steinmann's trinity)と呼ばれる[Hess : 1955].この頃は超マフィック・マグマとマフィック・マグマは全く別であると考えられていた.
ヘスやディーツはその海洋底拡大説で,オフィオライトは大洋底の破片が地向斜堆積物の中に押し込まれたものと考えた[Hess : 1962, Dietz : 1963].プレートテクトニクスの歴史を知る上でオフィオライトは重要である.含まれる火成岩類は下から上に順に橄欖岩,斑糲岩,輝緑岩の複合岩床,枕状熔岩となる[Geotimes : 1972, Coleman : 1977].オフィオライトの大部分は,様々な二次的変化(変質または変成作用)を受けている.K2Oは移動しやすく,K2Oが少ないことはこのためと考えられる.オフィオライトの起源としては地向斜の堆積作用と同じ時期に起きる火山活動や,堆積物の中へのマグマの貫入によるもので,マグマは玄武岩質からスピライト質であるが,分化によって珪長質なものから,早期の橄欖岩も形成される.ヘスはこのような状況の中で,橄欖岩や蛇紋岩は玄武岩質なマグマとは無関係であって,独立に超マフィックな物質としてマントルから上昇貫入したものと考えた.ヘスによればその時期も地向斜の堆積時期ではなく,造山帯が最初の大規模な構造運動を受けて変形する時期である.この際二回目以降は超マフィック岩の貫入を伴わない.

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世界大百科事典 第2版の解説

オフィオライト【ophiolite】

造山帯に産出する超塩基性岩,塩基性層状分化岩,斑レイ岩,輝緑岩岩脈群,玄武岩枕状溶岩,遠洋性堆積物がこの順に下位から上位へ積み重なった数千mの厚さをもつ複合岩体のこと。一般にはこのような成層構造が乱れていることが多い。オフィオライトは現在の海洋地域の,地殻‐上部マントル(海洋プレート)をつくる岩石の構成や構造とよく似ており,その断片と考えられている。つまり古い地質時代に,海嶺で形成された海洋プレートが拡大し陸と衝突した時,陸の上にのし上がった部分とみなされる。

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大辞林 第三版の解説

オフィオライト【ophiolite】

橄欖かんらん岩・斑糲はんれい岩・玄武岩などの超塩基性ないし塩基性岩類、およびチャートなどの遠洋性深海堆積岩類が、下位から上位へと成層した複合岩体。海洋地殻とその直下のマントル最上部との岩石構成に似ているので、海洋プレートの断片とみなす考えがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オフィオライト
おふぃおらいと
ophiolite

造山帯に産出する特徴的な組み合わせをもった岩石の集合体で、橄欖岩(かんらんがん)あるいは蛇紋岩(じゃもんがん)などの超苦鉄質岩、斑糲岩(はんれいがん)、ドレライト(粗粒玄武岩)、玄武岩質枕状溶岩などの苦鉄質岩、そして珪質堆積(けいしつたいせき)物であるチャートなどからなるもの。この岩石の集合体が、蛇のような模様をした蛇紋岩を多く伴うことから、蛇の石を意味するophioliteと名づけられた。現在の海洋プレートでは、下位からマントル最上部の橄欖岩を主とする超苦鉄質岩、その上にモホロビチッチ不連続面を介して海洋地殻下部を構成する斑糲岩、地殻上部を構成するドレライトの岩脈群、そして厚い枕状溶岩がこの順番に重なっており、最上部の海底表層部に珪質堆積物が重なっている。そのため、現在、陸上で観察されるオフィオライトは、海洋プレート上部を構成していた岩石が、海洋プレートの沈み込みに伴って大陸プレート下底に付加したり、大陸プレート同士の衝突によってそれらの間に存在していた海洋プレートの一部が大陸プレート上にのし上げたりしたものと考えられている。オフィオライトが造山帯にのみ分布するのは、このようなプレート境界での付加や衝突現象が起こったからである。海外の例としては、オマーンやキプロスのオフィオライトなどが古くから知られている。日本でも兵庫県から京都府、福井県にかけての舞鶴(まいづる)帯に分布する夜久野(やくの)オフィオライトが知られており、これは超丹波(ちょうたんば)帯のペルム紀付加コンプレックスの上に衝上している。夜久野オフィオライトでは、超苦鉄質岩と苦鉄質岩の境界の露頭が確認されており、かつてのモホロビチッチ不連続面が地表に出現したものと考えられている。また、北海道の神居古潭(かむいこたん)帯の幌加内(ほろかない)オフィオライトや日高帯の幌尻(ぽろしり)オフィオライトは、衝突帯に分布するオフィオライトとして知られている。[村田明広]

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世界大百科事典内のオフィオライトの言及

【ウィルソンサイクル】より

… ウィルソンサイクルの考えの基本は,古生代またはそれ以前にもプレートテクトニクスは成り立つとする点にある。古生代以前の証拠は海底には残されていない(サブダクション帯から沈んで消滅してしまった)ので,陸上にみられる過去のプレート境界(縫合帯suture zone)と,それに沿って残っている古海洋岩石(オフィオライト)などの研究から過去のプレート運動の様相が復元されつつある。この手法によって,かつて地向斜とよばれていた場所のできごとを含めた多くの地質現象を統一的に説明することができる。…

※「オフィオライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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