ジフェニルメタン系構造をもつ,代表的黄色塩基性染料。N,N-ジメチルアニリン中に硫黄を溶かし,これに塩化アンモニウムおよび食塩を加えてアンモニア気流中で175℃に加熱する方法,またはジメチルアニリンとホスゲンからミヒラーケトン(4,4′-ビスジメチルアミノベンゾフェノン)をつくり,これにアンモニアと塩化亜鉛を加えて150~160℃に加熱する方法で製造される。水,エチルアルコールに黄色に溶ける。
とくに光に弱いが(耐光堅牢度1級),色が鮮明で美しく,繊維の染色ばかりでなく,紙,皮革の染色,染めつけレーキ顔料に用いられる。たくあんなどの着色にも用いられたが,現在は食品への使用が禁じられている。
執筆者:新井 吉衞
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ジフェニルメタン系の黄色塩基性染料。4,4'-ビスジメチルアミノジフェニルメタンを硫黄(いおう)、塩化アンモニウム、塩化ナトリウムとアンモニア気流下で約200℃に加熱して合成される。各種繊維や、木、革、紙などを黄色に染色できる。着色力は強いが、耐光性が低いこと、水中で70℃に加熱するとミヒラーケトンに加水分解することが欠点である。安価であるので多量に生産されている。沢庵(たくあん)の着色に用いられることもあったが、毒性のあるところから現在では食品用色素としての使用は禁止されている。商品名はオーラミンOである。オーラミンGはオーラミンのメチル誘導体で、オーラミンよりもやや緑みがある。
[飛田満彦]
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bis[(4-dimethylamino)phenyl]methylimine hydrochloride.C17H22ClN3(303.83).C.I.Basic Yellow 2ともいう.ミヒラーケトンを塩化アンモニウム,塩化亜鉛と加熱すると得られる.ジフェニルメタン系塩基性染料.黄色の粉末.融点267 ℃.絹・羊毛の黄色染料.紙,皮革,木材の染色にも用いられる.[CAS 2465-27-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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