カタリ派(読み)カタリは(英語表記)Cathari; Cathars

  • カタリ派 Cathari

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

12~13世紀ヨーロッパに勢威をふるったキリスト教異端派。原語はギリシア語の katharos (清潔) に由来。マニ教二元論と極端な禁欲主義を特徴とする。 11世紀後半,ブルガリアのボゴミールの影響を受けた小派が南ヨーロッパに現れ,12世紀に入って宗教的情熱の満たされない人々の間に広まった。 1140年より 30年間に,その勢力が急速に伸び,ラインラント,南北フランス,北イタリアに普及。 12世紀末まで 11の司教区が開設され,これらをカタリ派と呼ぶようになった。このうち,南フランスのカタリ派はアルビ派とも呼ばれる。教会の数度にわたる異端宣告や改宗活動も効果なく,ついに3次にわたる討伐十字軍 (→アルビジョア十字軍 ) によって残酷な弾圧が加えられた。またドミニコ会の改宗運動が成功して,1270年代にはカタリ派組織は崩壊。完全消滅は 15世紀初め。

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百科事典マイペディアの解説

中世キリスト教の異端。カタリCathariは〈清浄なる者〉の。12世紀中葉以降,特に南フランスと北イタリアに盛行し,アルビジョア十字軍異端審問創設をもたらした。二元論,二神論,極端な禁欲と現世否定が特徴。遠くゾロアスター教,マニ教,グノーシス主義諸派,近くはボゴミル派に近縁と考えられるが,影響関係はなお不分明。14世紀末に根絶された。
→関連項目異端ドミニクスピューリタンマニ教ラングドック

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世界大百科事典 第2版の解説

中世ヨーロッパで一時有力だったキリスト教異端の一派。カタリとは清浄派の意。極度に禁欲的な戒律を奉じたためにこの名が生じた。二神論を基本教義とする。アルビジョア派,パタリニ派ブルガリ派プブリカニ派等,地方と時期により多くの別称がある。最初12世紀半ばライン川沿いの諸都市および低地帯で発見されたが,次第に南に広がり南フランスと北・中部イタリアに確固たる地歩を築いた。そのため南フランスではアルビジョア十字軍発進を,また異端審問制度の創設を必要とした。

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大辞林 第三版の解説

Cathari(清浄の意)
一二、三世紀頃、北イタリアや南フランスに広がったキリスト教異端の一派。善神悪神の二元論の立場に立ち、この世は悪神に属するとみて現世を否定、禁欲的苦行を実践した。 → アルビジョワ派

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ギリシア語で「清浄な」を意味するカタロスkatharosに由来するキリスト教の異端。古代のノバティアヌス派やマニ教徒に対しても用いられたが、通常は中世の12、13世紀に北イタリアや南フランスで広く活躍した異端をさす。中世で初めて現れたのは、1151~56年の間のケルンとトリールにおいてであるが、第三ラテラン公会議での破門宣言で広く知られるようになる。多様な名称でよばれ、南フランスではアルビジョア派とよばれることが多い。教義のうえでは、バルカンの二元論的異端ボゴミル派に類似し、事実1167年には同派との組織的連携もあった。アルビジョア十字軍(1209~29)で無残に弾圧され、モンセギュール城の陥落(1244)で終息するが、イタリアでは15世紀まで活動した。[今野國雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (カタリはkha tharos 「清浄な」に由来) 中世キリスト教の異端の一つ。マニ教的霊肉二元論の教義にたち禁欲主義を唱えたが、一二世紀以来カトリック教会に弾圧された。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

中世キリスト教の異端
マニ教の流れをくむ。現世は悪であり,社会生活を否定,苦行を重視した。12〜13世紀にバルカン半島から十字軍や商人を通じて伝わり,イタリア・南フランス・南ドイツに広がった。南フランスのアルビジョワ派はこの一派。

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世界大百科事典内のカタリ派の言及

【キリスト教】より

…社会的背景としては教会の封建化,都市の発達による交通の自由のほか,十字軍による東西の交流があげられる。12世紀初めに現れたカタリ派は東方の異端ボゴミル派の支脈であり,マニ教的な二元論的道徳に従って禁欲清浄(ギリシア語でカタロスkatharos)の生を営み,独自の教階制を立てて世俗化した教会に対抗した。またワルド派は,リヨンの富裕な商人だったワルドーが1176年の飢饉にさいして財産を貧者に与えて無一物となり,使徒的生活を人々に説いて回ったことから生まれたもので,多くの類似の運動を合わせ,時にはカタリ派をも引き込んで,ドイツ,イタリア,ハンガリーに進出した。…

【パターリア】より

…運動は都市コムーネの形成にかかわり,支配階層の封建的制約から解放される社会運動的色彩も帯びた。12世紀にはパターリアは異端的傾向を強め,異端のカタリ派を示す名称ともなり,14世紀には総称的に異端者を示す言葉として使われた。【佐藤 真典】。…

【ラングドック】より

…近代フランス語の祖となったオイル語に対して,オック語は同化されつつも存在を保ち,のちに19世紀に復興の試みが行われることになる(オクシタン)。 ラングドック文化の隆盛は,12世紀後半から浸透したキリスト教異端のカタリ派にもみられる。マニ教的な善悪二元論と厳格な禁欲と集団規律をもったカタリ派は,現世の欲望ばかりか教会組織の権威をも否定して,ローマ教皇庁に激しく対立するに至った。…

※「カタリ派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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