カッシウス(英語表記)Cassius, Hemina

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カッシウス
Cassius, Hemina

前2世紀頃のローマの年代記編者。初期イタリア時代とローマの建国から第2次ポエニ戦争までの歴史を第3次ポエニ戦争直前に書いた。彼の関心はイタリアの起源および語源,社会,宗教の故事にあった。

カッシウス
Cassius Longinus, Gaius

[生]?
[没]前42. マケドニア,フィリッポイ近郊
古代ローマの政治家。ユリウス・カエサル暗殺の主謀者。前 53年財務官 (クアエストル ) となり,シリアでパルチア軍と戦う。ポンペイウス (大ポンペイウス) を支持してカエサルと戦ったが,のち許されて,前 44年執政官 (コンスル ) に任じられシリア総督職を約束された。しかし同年カエサル暗殺に参加,民衆の不評からローマを退去し,シリアで大軍を集めて元老院任命の総督を打ち破った。前 43年第2次三頭政治が成立すると M.ブルーツスとともに小アジアでこれに反抗,翌年 M.アントニウスに敗れて,自殺した。

カッシウス
Cassius Longinus, Lucius

前1世紀頃のローマの政治家。ユリウス・カエサルを暗殺した G.カッシウスとは兄弟であったが,カエサル派で暗殺にも加担しなかった。オクタウィアヌス (アウグスツス) を支持したが,前 43年アシアに逃れ,前 41年には M.アントニウスを支持した。

カッシウス
Cassius Longinus, Quintus

[生]?
[没]前47
ローマ共和政末期の政治家。前 54年ポンペイウス (大ポンペイウス) のもとにヒスパニアで財務官 (クアエストル ) をつとめ,悪名をはせたあと,ユリウス・カエサル側に寝返った。カエサルによってヒスパニア総督に任じられたが,属州民と軍隊の反乱にあい,後任者到着後,退去したが,エブロ河口で難船により死んだ。

カッシウス
Cassius Longinus, Ravilla

前2世紀頃のローマの政治家。前 137年護民官 (トリブヌス・プレビス ) ,前 127年執政官 (コンスル ) ,前 125年戸口総監 (ケンソル ) を歴任。民会の裁判の秘密投票を立法化。水道工事,適格調査などに業績を残した。前 113年ウェスタ女神を祀る3人の尼僧の不貞事件の審査官となり,彼女らを断罪した。

カッシウス
Cassius Vecellinus, Spurius

前6~5世紀に活躍したローマの政治家。パトリキ (貴族) 出身。3度執政官 (コンスル ) となり,前 502年サビニ人を破り,前 493年ラチニ人と相互防衛同盟カッシウス条約を結んだ。一説によればプレプス (平民) のために農地法を提案し,パトリキらの反対にあい処刑されたという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

カッシウス【Gaius Cassius Longinus】

?‐前42
共和政末ローマの政治家。カラエの敗戦経験後,属州シリアをパルティアから防衛。内乱ではポンペイウス派に属した。赦免され,前44年プラエトル在職中ブルトゥスらとカエサル暗殺を組織した。決行後シリア方面に逃れて軍備を整え,ブルトゥスと合流してマケドニアフィリッピでアントニウス=オクタウィアヌス軍と会戦(前42)し敗死。独裁者への憎悪は,幼時のスラ子息殴打事件の挿話からも知られる。【栗田 伸子

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カッシウス
かっしうす
Gaius Cassius Longinus
(?―前42)

古代ローマ、共和政末期の政治家、将軍。カエサル暗殺の首謀者の一人。M・J・ブルートゥスの義兄弟。カエサル、ポンペイウスの内乱ではポンペイウス艦隊を率いたが、のちカエサルに赦(ゆる)されて、諸官職を歴任し、紀元前44年には法務官に任ぜられた。共和政的な伝統護持の立場から、ブルートゥスたちと組んで、前44年3月15日、カエサルを暗殺した。その後は、ローマ民衆の厳しい敵対心のため逃れて、シリアで勢力を蓄えたが、ブルートゥスとともにアントニウス、オクタウィアヌスの連合軍とフィリッピで戦い、その第1回目の戦闘で敗死した。ブルートゥスに比べると現実的で洞察力に優れたが、人望は薄く、影響力も小さかった。[長谷川博隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

カッシウス

(Gaius Cassius Longinus ガイウス━ロンギヌス) ローマの政治家。紀元前四四年、ブルートゥスらとともにカエサルを暗殺。ローマを追われフィリッピの戦いに敗れて、自殺。前四二年没。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のカッシウスの言及

【カエサル】より

…また前45年1月1日から太陽暦(ユリウス暦)を採用している。しかし,権力・栄誉を一身に集中したため,共和政護持派のブルトゥス,カッシウスらに前44年3月15日,元老院議場で暗殺された。 雄弁家・文人としても第一級の人物であったが,演説の草稿,書簡,パンフレットは散逸し,現存するのは,簡潔な文体,的確な現実把握の点でラテン文学の傑作といわれる《ガリア戦記》《内乱記》のみである。…

※「カッシウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

はやぶさ2

JAXA(ジャクサ)(宇宙航空研究開発機構)による小惑星探査機、および探査計画の名称。平成17年(2005)に小惑星イトカワに到達しサンプル採取に成功したはやぶさの同型機により、地球近傍小惑星のアポロ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android