コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

カンタベリー物語 カンタベリーものがたり The Canterbury Tales

7件 の用語解説(カンタベリー物語の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カンタベリー物語
カンタベリーものがたり
The Canterbury Tales

イギリスの詩人 G.チョーサーの最後の作品で最高傑作。 1387年頃~1400年に執筆。1万7千余行の韻文と長い散文から成る 24編の物語集で未完。ロンドン郊外サザックの宿屋に集ったカンタベリー詣での一行 30人ほどが,旅のつれづれの慰めにかわるがわる話をするという,中世文学によくある枠組みをもっているが,各人物の個性化と作者の鋭い社会感覚は,これをいわば 14世紀イギリスの「人間喜劇」にしている。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

カンタベリーものがたり【カンタベリー物語】

《原題The Canterbury Talesチョーサーの物語詩。1387~1400年作。カンタベリー大聖堂への巡礼者たちを語り手に仕立てた24編の物語からなる。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

カンタベリー物語【カンタベリーものがたり】

チョーサー作の物語。《Canterbury Tales》。1393年―1400年ごろの執筆。中世文学最大の傑作の一つ。カンタベリー聖堂へ巡礼に行く29人の一団が,道中の退屈しのぎに順番に物語をするという形式。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

デジタル大辞泉プラスの解説

カンタベリー物語

1972年製作のイタリア映画。原題《The Canterbury Tales》。中世イギリスの詩人チョーサーの同名物語集をオムニバス形式で映画化。監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ、出演:ジョゼフィン・チャップリン、フランコ・チッティ、ニネット・ダボリ、ピエル・パオロ・パゾリーニほか。第22回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

カンタベリーものがたり【カンタベリー物語 The Canterbury Tales】

イギリスの詩人チョーサーの最大傑作。1387?‐1400年執筆,未完。ほとんど全編,英雄対韻句という弱強5詩脚の対句形式によって書かれている。カンタベリー大聖堂にもうでる巡礼たちが,旅の行き帰りそれぞれ語る物語,序歌を含めて24編を集成した物語集で,巡礼の集団には騎士,粉屋,農場の親方兼大工,料理人,法律家,托鉢僧,刑吏召喚人,機織の女,学僧,商人,郷士,医者,免罪符売り,尼僧院長,修道僧,神父といった社会各層の人びとに加えて,作者自身も登場する。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

カンタベリーものがたり【カンタベリー物語】

チョーサーの叙事詩。1387~1400年作。カンタベリー大聖堂に詣でる様々な階層の巡礼者たちを語り手として登場させ、一編のドラマとしたもの。二四の物語から成る。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カンタベリー物語
かんたべりーものがたり
The Canterbury Tales

14世紀最大のイギリス詩人ジェフリー・チョーサーの物語詩集で、中世ヨーロッパ文学の一つの頂点を示す。カンタベリー大聖堂に詣(もう)でる巡礼たちが語る物語の集成で、作者は最初120編余の大作を意図したと思われるが、実際は、未完の作品を含めて、24編が残るだけ。作者は結尾に中世文学特有の「パリノード」(取消しの文)を付して、この物語集をいちおう完結させている。巡礼の集団には、国王と乞食(こじき)を除いて、社会各層の多種多様な人物、たとえば、騎士、粉屋、農場の親方(兼大工)、料理人、法律家、托鉢僧(たくはつそう)、召喚吏、学僧、商人、郷士、医者、免罪符売り、尼僧院長、修道僧、神父などが登場、作者自身も語り手の一人として登場する。物語の内容は、ロマンス、説教文学、滑稽譚(こっけいたん)(ファブリオー)、聖者伝そのほか、当時ヨーロッパに流行した文芸のあらゆるジャンルにわたる。しかし、この作品は単なる物語の寄せ集めではない。たとえば第1話「騎士の物語」は宮廷風恋愛の荘重・典雅なロマンスであるが、第2話の滑稽譚「粉屋の物語」は第1話のパロディーになっている。このように物語は互いに関連しながら進行し、従来の「枠物語」とは異なる構成をもち、個々の語り手には、それぞれの身分、境遇、趣味、性格にふさわしい物語が与えられる。作者は、しばしば鋭い風刺を発揮するが、総じて寛容とユーモアに満ち、人間の思想や行動の価値を謙虚に受け止めている。結尾の「取消しの文」は、「コンテンプトゥス・ムンディ」、すなわち作者の「現世否定」の思想を示すが、作品の世界では、むしろ現世に深い歓(よろこ)びを感じていた詩人の人間性が躍如としている。聖・俗二つの世界をそのまま容認する作者の精神が、中世の「人間喜劇」とも称すべきこの作品を創造しえたといえよう。[安東伸介]
『西脇順三郎訳『カンタベリ物語』(『世界文学大系8』所収・1961・筑摩書房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のカンタベリー物語の言及

【チョーサー】より

…《トロイラスとクリセーデ》(1385ごろ完成)は,ボッカッチョの《フィロストラート(恋の虜(とりこ))》を素材とした作品で,愛の熱情をめぐる歓喜と苦悩,愛における時間と永遠の主題を追求した,中世におけるロマンスの最高傑作の一つである。さらに,恋に殉じた女性たちの列伝《善女物語》(未完,1385‐86ごろ執筆)を経て,中世物語文学の集大成とも称すべき大作《カンタベリー物語》(1387?‐1400執筆)を書くに至り,中世ヨーロッパ文学における一つの巨大な記念碑を創造した。チョーサーは帝王韻詩rhyme royalや英雄対韻句heroic coupletを英詩に導入し,ロンドン方言を用いて文学標準語の確立に寄与した。…

【デカメロン】より

… この《デカメロン》は,手書きとして,イタリア中にひろがり,フランコ・サッケッティ,ロル・ジョバンニ・フィオレンティーノ,マスッチョ・サレルニターノ,マッテオ・バンデロのようなルネサンス短編小説作家に引き継がれたが,16世紀には,教会や聖職者の神聖を冒瀆(ぼうとく)する不敬の書としてローマ教皇庁の禁書目録に加えられた。というものの,写本のままこの小説集がヨーロッパ世界にひろがって愛読された結果,イギリスではチョーサーの《カンタベリー物語》,フランスではナバール王妃マルグリットの《エプタメロン》などが生まれ,近代文学とつながっていった。 日本では明治時代に尾崎紅葉がこの著の一編を翻案して《鷹料理》を著したほか,二,三の翻案が見られたが,肝心の艶笑談は紹介されたこともなかった。…

※「カンタベリー物語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

カンタベリー物語の関連キーワードガワーサスーンチョーサーイギリスオランダ戦争イギリス巻ブッカー賞イギリスの名車Miniバースデーの日刑事ジョン・ルーサーチョーサー・タイプイギリス鞍 (English saddle)

今日のキーワード

災害派遣

天災地変その他の災害に際して,人命または財産の保護のために行なわれる自衛隊の派遣。災害出動ともいう。都道府県知事などの要請に基づいて,防衛大臣が派遣することを原則とするが,特に緊急を要する場合,要請を...

続きを読む

コトバンク for iPhone

カンタベリー物語の関連情報