カンムリウミスズメ(その他表記)Synthliboramphus wumizusume; Japanese murrelet

共同通信ニュース用語解説 「カンムリウミスズメ」の解説

カンムリウミスズメ

国の天然記念物で、頭の冠羽特徴。3~4月ごろ岩場などで巣を作る。ふ化したひなはわずか1~2日後に親鳥と一緒に海へ出て、給餌海上で行う。国内繁殖が確認されているウミスズメ科7種のうち唯一暖温帯を主な生息地とする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンムリウミスズメ」の意味・わかりやすい解説

カンムリウミスズメ
Synthliboramphus wumizusume; Japanese murrelet

チドリ目ウミスズメ科。日本固有種で,全長 24~26cm。夏羽(→羽衣)は頭上に黒い冠羽(→羽冠)があり,後頭部と冠羽の両側白色。幅広の黒い帯が基部から眼を通って後頸で暗い青灰色の背面に連なる。胸から腹は白い。冬羽では冠羽を欠き,頭頂が灰黒色で,喉が白い。繁殖地は伊豆諸島九州地方大韓民国南部の小島で,伊豆諸島の新島早島鳥島,三重県の耳穴島,福岡県筑前沖の大机島,小机島,柱島などがある。おもに無人島で,岩礁地の岩の割れ目や岩が重なる陰に営巣する。は孵化して数日以内に巣立ちし,親鳥に導かれて数十mの崖上から転がり落ちるように海上に出る。冬は繁殖地周辺から沖合いの海上で暮らし,日本近海から遠く離れることはない。魚食性だが,プランクトン,小型のエビ類なども潜水してとる。生息数は少なく,2012年の報告では全個体数は 5000~1万羽と推定されている。1975年に国の天然記念物に指定された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンムリウミスズメ」の意味・わかりやすい解説

カンムリウミスズメ
かんむりうみすずめ / 冠海雀
Japanese murrelet
[学] Synthliboramphus wumizusume

鳥綱チドリ目ウミスズメ科の鳥。全長24センチメートル。背面は黒みのある青灰色で、下面は白色。頭は白色で、顔と冠羽は黒色。太平洋西部の日本と朝鮮半島の近海の離島に繁殖地があり、この類としてはもっとも南に生息する種である。翼を使って潜水し、小魚や小形の甲殻類などを食べる。

[柳澤紀夫]


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世界大百科事典(旧版)内のカンムリウミスズメの言及

【ウミスズメ(海雀)】より

…雛は綿羽に包まれ,皮下脂肪が豊富で太っている。 日本ではウミガラス(イラスト),ケイマフリ(イラスト),マダラウミスズメ,ウミスズメ,カンムリウミスズメ(イラスト),ウトウ(イラスト),エトピリカ(イラスト)の7種が繁殖し,カンムリウミスズメを除いた6種の繁殖地は北日本に限られている。カンムリウミスズメだけは暖流海域に限って生息している。…

※「カンムリウミスズメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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