カーン(Herman Kahn)(読み)かーん(英語表記)Herman Kahn

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カーン(Herman Kahn)
かーん
Herman Kahn
(1922―1983)

アメリカの軍事戦略研究家。1945年カリフォルニア大学卒業。ついでカリフォルニア工科大学で物理学を専攻し、1947年にランド研究所に入り核兵器の設計および核戦略の研究に没頭する。1961年には国際環境の調査を目標としてハドソン研究所を設立し所長となる。原子力委員会技術審議会やオーク・リッジ国立研究所、ゲイザー戦略戦争委員会にも参加した。著書『熱核戦争論』On Thermonuclear War(1960)、『エスカレーション論』On Escalation(1965)などでは、核抑止理論の有効性を展開した。未来学者としても知られ、とくに「21世紀は日本の世紀」との「予言」で話題を集めた。著書にはほかに『超大国日本の出現The Emerging Japanese Superstate(1970)、『未来への確信The Next 200 Years(1976)、『それでも日本は成長する』Japanese Challenge(1978)、『ブームが来る』The Coming Boom(1982)などがある。

[中島和子]

『小松達也・小沼敏訳『未来への確信』(1976・サイマル出版会)』

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