コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

キノリン quinoline

翻訳|quinoline

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キノリン
quinoline

コールタール中に存在する不快な臭いをもつ,無色の弱塩基性液体。沸点 238℃。キノリン染料アルカロイド,医薬品の合成原料。塩酸溶液中にヨウ化カリウム存在下で Bi3+ ,Sb3+ ,Sn4+ ,Zn2+ ,Pb2+ などの金属イオンと不溶性塩をつくるので,これらの金属イオンの定量分析に用いられる。また硝酸溶液中にチオシアン酸アンモニウムが存在すると,Fe3+ ,Zn2+ ,Cd2+ ,In3+ などの金属イオン不溶性塩をつくるので,この性質はこれらの金属イオンの定量に利用される。アニリングリセリンニトロベンゼンを硫酸存在下で反応させて得られる (スクラウプ法) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

キノリン

ベンゼン環とピリジン環とをもつ複素環芳香族化合物。不快臭のある無色の液体。融点−15℃,沸点237.1℃。水に難溶,エタノールなど有機溶媒可溶。窒素原子の位置が異なる異性体イソキノリンという。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

キノリン【quinoline】

ベンゼン環とピリジン環とが縮合した構造をもつ複素環芳香族化合物。縮合の位置が異なる異性体をイソキノリンという。キノリンは不快な臭気のある無色の液体で,沸点237.1℃,弱い塩基性を示す。通常の有機溶媒にはよく溶けるだけでなく吸水性も示す。コールタール,骨油などに含まれる。1880年,オーストリアのスクラウプZ.H.Skraup(1850‐1910)によってアニリンとグリセリン,濃硫酸,適当な酸化剤を原料とする簡便な合成法が見いだされた(スクラウプ合成)。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

キノリン【quinoline】

ベンゼン環とピリジン環の縮合した構造の複素環式化合物。化学式 C9H7N コールタール・骨油の中にある。不快な臭気のある無色の液体。弱塩基性を示す。染料合成に用いる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キノリン
きのりん
quinoline

環内に窒素原子を含む複素環式化合物の一つ。1-アザナフタレンともいう。石炭の乾留により得られるコールタール中に存在する。弱い塩基性をもっている。
 ニトロベンゼン、アニリン、グリセリンの混合物に濃硫酸を加えて加熱すると得られる。この反応は1880年にオーストリアのスクラウプZdenko Hans Skraup(1850―1910)により最初に報告されたので、「スクラウプ反応」または「スクラウプのキノリン合成」とよばれている。
 不快臭をもつ無色の液体で、熱水、薄い酸、エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどに溶ける。ベンゼン環とピリジン環とが縮合した構造をもっていて、還元はピリジン環でおこり、強く酸化するとベンゼン環のほうが壊れてキノリン酸になる。また、ニトロ化などの求電子置換はベンゼン環上におこりやすく、アミノ化などの求核置換はピリジン環上におこる。アルカロイドおよびキノリン染料の重要な合成原料となるほか、分析試薬としての用途をもつ。[廣田 穰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

キノリンの関連キーワードイソキノリン(データノート)キノリン(データノート)チオシアン酸アンモニウムエネルギー代謝阻害剤タラコウトウチュウローゼンムント還元アクリルアルデヒドピロプラズマ類スクラウプ反応アヘン(阿片)窒素酸化物汚染人為突然変異レーザー色素クノル合成腸内殺菌剤ジブカインキノホルムノスカピン佐藤文彦秦佐八郎

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android