クランダル石(読み)くらんだるせき(英語表記)crandallite

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クランダル石
くらんだるせき
crandallite

カルシウムとアルミニウムの含水リン酸塩。クランダル石系鉱物の一員。明礬石(みょうばんせき)と同構造。自形は立方体に近い菱面体(りょうめんたい)、あるいは三角柱。多く球状、皮膜状、あるいは不定形集合。堆積(たいせき)岩を構成することもある。リンおよびアルミニウムに富んだ堆積岩の構成成分をなし、またその割れ目に脈をなす。堆積岩中の団塊の主成分をなすこともある。酸性堆積岩の熱水交代産物として生成される。珪質(けいしつ)の広域変成岩の一成分をなすこともある。熱帯地方の沼沢地や浅海で、酸素に乏しい環境下で自生鉱物として沈殿することもある。ほかに、ある種のカーボナタイト(炭酸塩鉱物からなる火成岩)や花崗(かこう)岩質ペグマタイトから産するという報告もある。日本では群馬県吾妻(あがつま)郡草津(くさつ)町奥万座(おくまんざ)で酸性火砕岩の熱水変質産物の一つとして産する。また高知県吾川(あがわ)郡いの町勝賀瀬(しょうがせ)で堆積岩中に脈をなして産する。
 共存鉱物は他のクランダル石群鉱物、石英、粘土鉱物、燐灰石(りんかいせき)系鉱物など。同定は自形が出ていれば、底面に平行な劈開(へきかい)でわかる場合があるが、土状のものや団塊を構成するものはまったくわからない。なお、現世の堆積物から確認されたものは、副成分に富み、X線回折実験結果からは三斜晶系の対称が暗示されるため、別鉱物の可能性もある。命名はアメリカ、ユタ州在住ナイト・シンジケートKnight Syndicate所属の技師ミラン・L・クランドール・ジュニアMilan L. Crandall, Jr.にちなむ。[加藤 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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