クロール

精選版 日本国語大辞典 「クロール」の意味・読み・例文・類語

クロール

〘名〙 (crawl) 泳法一つ。うつぶせにからだをほとんど水に沈め、ばた足を使いながら両腕を交互に肩の前方で水に入れて後方へかき抜いて進む。もっとも速い泳ぎ方で、自由形競泳遠泳などで用いる。
※波(1928)〈山本有三〉父「クロール泳ぎに対抗するには、彼の泳ぎ方は、余りにも旧式だった」

クロール

〘名〙 (Chlor) 塩素クロル

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デジタル大辞泉 「クロール」の意味・読み・例文・類語

クロール(crawl)

泳法の一。からだを伸ばして水面にうつ伏せになり、両腕を左右交互に抜いて水をかき、ばた足を用いる。クロールストローク

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百科事典マイペディア 「クロール」の意味・わかりやすい解説

クロール

泳法の一種。水面に伏して脚を交互に打ち(ばた足),左右の腕で交互に水をかく。最もスピードの出る泳法。競泳の自由形はどの泳法で泳いでもよいことになっているが,クロールで泳ぐのが一般的。オリンピック種目競泳男子自由形は100mが第1回アテネオリンピックから正式種目で,その後200mが1990年パリオリンピック,400mと1500mが1908年ロンドンオリンピック,50mが1988年ソウルオリンピックからそれぞれ追加された。女子は1912年ストックホルムオリンピックで100mが正式種目として採用,その後400mがパリオリンピックから,200mと800mが1968年メキシコシティーオリンピックから,50mがソウルオリンピックからそれぞれ追加された。リレーは4×100mが1912年ストックホルムオリンピックから正式種目で,1996年アトランタオリンピックから4×200mが追加されている。男子の強豪国は,アメリカ,オーストラリアが2強だが,近年オランダ,韓国,中国が台頭している。日本は,1928年のアムステルダムオリンピック100mで高石勝男が銅,続く1932年ロサンゼルスオリンピック100mでも宮崎康二金メダル,河合達吾が銀メダル,1500mでも北村久寿雄が金,牧野正蔵が銀,1936年ベルリンオリンピック100mでも遊佐正憲が銀,新井茂雄が銅を獲得,400mで鵜藤俊平が銀,牧野正蔵が銅,1500mで寺田登が金,鵜藤俊平が銅と,〈水泳日本〉と呼ばれる黄金時代があった。戦後古橋広之進と橋爪四郎の二人が自由形中長距離で活躍,1948年ロンドンオリンピックに敗戦国日本は参加が認められなかったが,日本水連は全日本選手権水泳決勝をロンドンオリンピックの決勝と同日に開催,古橋は400m,1500mともロンドンオリンピックの決勝記録と当時の世界記録を上回るタイムで優勝した。2位の橋爪も1500mで世界記録を上回ったが,日本は国際水泳連盟から除名されていたため記録は公認されることはなかった。復帰を認められたヘルシンキオリンピック1500mで橋爪は銀メダルを獲得している。1956年メルボルンオリンピックでは山中強が400mと1500mで銀メダルを獲得,山中は1960年ローマオリンピック400mでも銀メダルを獲得した。いずれも金メダルはオーストラリアのマレー・ローズで,ローズと山中の対戦は名勝負といわれた。以後日本男子競泳界からは自由形のメダリストは出ていない。女子はオーストラリア,アメリカ,旧東ドイツが強かったが,近年はドイツ,イタリア,イギリス,フランスなどからも金メダリストが出ている。日本は2004年アテネオリンピックで柴田亜衣が800mで金メダルを獲得している。
→関連項目水泳背泳ぎバタフライフリースタイル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロール」の意味・わかりやすい解説

クロール
crawl stroke

身体を水面に伏せ,両腕交互のストロークと両脚のビートで進む,現在最も速いとされる泳法。原型は南太平洋諸島の先住民の泳ぎといわれ,オーストラリアのシド・キャビルとチャールズ・キャビルの兄弟によって 1902年ヨーロッパに,1903年アメリカ合衆国に紹介され普及した。現在の自由形競泳では,この泳法以外は使われていない。泳ぎ方には左右の腕のストロークごとに脚を4ビートするもの,6ビートするもの,不定数ビートのものなどがあるが,一長一短で,決定的なスタイルはない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロール」の意味・わかりやすい解説

クロール
くろーる

水泳

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世界大百科事典(旧版)内のクロールの言及

【水泳】より

…なお,オリンピックとは別に国際水泳連盟主催の世界選手権大会が73年以降開かれている。競泳の泳法としては,クロール,背泳,平泳,バタフライの4種がある。
[クロールcrawl stroke]
 水面に伏せて浮き,バタ足(キック)しながら左右の手を交互にかいて泳ぐ。…

※「クロール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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