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ゲノム ゲノム genome

翻訳|genome

8件 の用語解説(ゲノムの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゲノム
ゲノム
genome

ある生物がもつすべての染色体を1組分だけ取りそろえたもの,すなわち単相の細胞に含まれる全染色体をいう。通常の生物の体細胞は,2組のゲノムをもつことになる。 H.ウィンクラーの提唱した (1920) 用語であったが,木原均はこれを別の見方から定義し直して,その種が正常に生き続けていくのに必要なひとそろいの染色体の組をゲノムと呼んだ (30) 。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

ゲノム

生物が生きていくために必要な遺伝情報の1組をいい、構造としては染色体の1セットに相当する。ふつう体細胞は2セット、生殖細胞は1セットのゲノムをもつ。1セットしかゲノムをもたない細胞を半数体または1倍体、2セットもつものを2倍体と呼ぶが、植物にはキク属の10倍体やコムギ属の6倍体など多数のゲノムをもつ倍数体が知られており、ゲノムの倍化が変異や新種形成の大きな要因になっている。大腸菌のゲノムは約500万塩基対、ヒトのゲノムは約30億塩基対のDNAからなる。ヒトゲノムの全塩基配列の解読が進められていたが、2003年4月、日米英仏独中の共同研究チームが99%の解読完了を発表した。その後もさらに解析が進められている。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ゲノム(〈ドイツ〉Genom)

現代主流となっている分子生物学的解釈によれば、ある生物種を規定する遺伝情報全体のこと。遺伝情報はすべて遺伝子を構成するDNA(デオキシリボ核酸)またはRNAリボ核酸)の塩基配列で記述される。従来の遺伝学においては、その生物種が生きていくために必要不可欠遺伝子が収められた染色体の一組を指し、生物種によって固有の染色体の基本数がある。ふつう二倍体の生物の一個体の体細胞は二組のゲノムをもち、三倍体四倍体のような倍数体ではそれぞれ、三組、四組のゲノムをもつ。

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百科事典マイペディアの解説

ゲノム

生物が生きていくのに最小限必要な染色体の1組。あるいはその1組の染色体に含まれる遺伝子の全体。近年では定義を拡大し,ウイルスミトコンドリアなどの核酸1分子をもゲノムと呼ぶ。
→関連項目イネゲノム解析研究木原均ヒトゲノム解析計画

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栄養・生化学辞典の解説

ゲノム

 生体の種を決定する一組の遺伝子で,通常一組の半数染色体(配偶子に含まれる遺伝子全体)をいう.gene(遺伝子)とchromosome(染色体)の合成造語.

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世界大百科事典 第2版の解説

ゲノム【genome】

本来の定義では,1個の配偶子に存在する染色体の1組,ないしはこの1組の染色体に含まれる遺伝子全体をさす(ウィンクラーH.Winkler,1920)。しかし今日ではこの定義が拡大されて,それぞれの遺伝子をひとそろい含んでいるバクテリア,ウイルス,プラスミド,ミトコンドリアあるいは葉緑体のDNAやRNAの単一分子をもゲノムとよぶようになってきている。 2種の生物の交配から得られる雑種第1代において,母親由来のゲノムを構成する染色体のすべてが父親由来のゲノムを構成する染色体のすべてと完全に対合して2価染色体を形成し,かつ,その結果つくられる配偶子がすべて正常な受精力を有するとき,両種のゲノムは相同であるという。

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大辞林 第三版の解説

ゲノム【Genom】

配偶子に含まれる染色体あるいは遺伝子の全体。普通の個体(二倍体)の細胞は雌性配偶子と雄性配偶子に由来する二つのゲノムをもつ。三つまたは四つのゲノムをもつものは、それぞれ三倍体・四倍体という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲノム
げのむ
genome

生物の生活機能を営むうえで必要な遺伝子を含む1組の染色体。ゲノムを構成する染色体の基本数は生物の種によって固有で、1ゲノムの中には相同の染色体は含まれていない。一つのゲノムをAで表すと、一般に二倍性の細胞は二つのゲノムを含むからAAとなり、生殖細胞(卵子と精子)は減数分裂によって一つのゲノムを含むのでAで表される。高倍数性の生物では二つ以上のゲノムが含まれている。ゲノムという用語は1920年にウィンクラーが半数(ハプロイド)の染色体の1組に与えたものである。さらに、1930~50年にわたるコムギの細胞遺伝学的研究を行った木原均(きはらひとし)は、その概念を拡張してゲノムを次のように定義した。「ゲノムは染色体の1組であって、これを構成する染色体が協力して完全な生活環境および生活現象を営み、かつ進化に応ずる単位である」。生物のゲノムの構成を明らかにし、ゲノムと遺伝子との関係、ゲノムの変遷、種の由来および進化過程を明らかにすることをゲノム分析とよぶ。ゲノム分析の理論は木原によって確立された。すなわち、(1)相同のゲノムの間には対応する相同の染色体が存在する。(2)相同の二つのゲノムをもつ生物では、減数分裂において相同染色体間に接合がおこり二価染色体が形成されるが、異種間雑種では相同染色体がないので二価染色体は形成されない。これら二つの理論がゲノム分析の根拠となっている。[吉田俊秀]

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世界大百科事典内のゲノムの言及

【遺伝子】より

…同じことは高等動植物の若干の遺伝子についても証明されてきた。一方,遺伝子の本体がDNAであることが確実になり,バクテリアやウイルスでは一つのゲノムの全遺伝子が単一のDNA分子に組み込まれていること,また,高等動植物においても電子顕微鏡で確認できるかぎりでは,1本の染色体に含まれるDNAは連続した1本の糸であることもわかり,遺伝子の統一概念は自然に消滅した。
[遺伝子の作用――転写と翻訳]
 1950年代以降の分子遺伝学の発達により,まず,遺伝子の本体とポリペプチドの生産を支配する機構の概要が明らかとなった。…

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