デジタル大辞泉 「コーンウォール」の意味・読み・例文・類語
コーンウォール(Cornwall)
カナダ、オンタリオ州東部の都市。オタワの南東約90キロメートル、セントローレンス川北岸に位置する。18世紀末、ロイヤリスト(英国系王党派)が入植。運河開通により、農畜産物の積出港として発展。セントローレンス水路公社のカナダ本社が所在。
翻訳|Cornwall
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
イギリス,イングランド南西端にある州。地名は〈コーンウォールのウェールズ人〉を意味した古英語に由来する。コーンワルとも呼ばれる。シリー諸島を含めて面積3546km2,人口51万9000(2005)。州都はボドミンBodminだが,行政機関はトルーローTruroにある。大西洋とイギリス海峡にはさまれたコーンウォール半島に位置し,グレート・ブリテン島最西端のランズ・エンド岬と最南端のリザード岬がある。丘陵とボドミン・ムアなどの山地から構成され,肉牛(デボン種)の粗放的放牧や酪農が卓越するが,温和な気候を利用した市場園芸も盛ん。特にシリー諸島のスイセンは有名である。このほかスズ,銅の採掘をはじめ,採石,船舶修理,ニシン漁も発達し,また現在は〈コーンウォールのリビエラCornish Riviera〉と呼ばれる南部海岸を中心に,観光開発が進められている。先史時代から対岸のブルターニュ半島や地中海地域との交流が盛んで,巨石記念物が多く残る。またローマ人,サクソン人の侵入にも最後まで抵抗して,アーサー王伝説の舞台にもなり,独自のケルト文化を保持した。しかしノルマン・コンクエスト(1066)までにはイングランドにほぼ同化された。きわめて少数の人びとによって用いられていたケルト語派のコーンウォール語は今日死語であるが,地名や人名,鉱山・漁業用語には残存している。
執筆者:長谷川 孝治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
イギリス、イングランド南西端、コーンウォール半島の先端部を占めるカウンティ(県)。県域にはシリー島を含み、面積は3559平方キロメートル、人口50万1267(2001)。県都ボドミンBodmin。半島部の海岸線は出入りに富み、断崖(だんがい)と砂浜、岬と入り江が交錯する。冬はイギリス諸島でもっとも暖かく(ランズ・エンド岬の1月の月平均気温は6℃)、南海岸の年間日照時間は長い。恵まれた環境により、全国から観光、行楽の人々が訪れ、観光業を含むサービス業は県内随一の産業になっている。そのほか、採石業、漁業、農業、船舶修理業、機械工業が主要産業。古代には著名な錫(すず)の産地で、ギリシアやフェニキアの商人の間にも知れ渡っていた。かつてケルト語派ブリタニック諸語の一つであるコーンウォール語が話され、英語に駆逐されて18世紀末には消滅したが、地名などの一部に残存し、その保存・研究が行われている。
[久保田武]
コーンウォールから西デボンにかけての鉱山景観とその施設が2006年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「コーンウォールとウェストデボンの鉱山景観」として世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録された。
[編集部 2018年5月21日]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新