コーンウォール(その他表記)Cornwall

翻訳|Cornwall

デジタル大辞泉 「コーンウォール」の意味・読み・例文・類語

コーンウォール(Cornwall)

英国イングランド南西部の地域。美しい景観と穏やかな気候から、保養地として有名。かつては鉱業が盛んで、主に銅とすずが採掘され、特に18~19世紀には英国産業革命の一翼を担った。鉱山技術の革新をもたらしたビームエンジンやエンジンハウスを用いた採掘方式は、この地で始められ、その後世界に普及したといわれている。これらの鉱山跡や鉱業に関する施設からなる景観は、2006年に「コーンウォールとウェストデボンの鉱山景観」として世界遺産文化遺産)に登録された。
カナダ、オンタリオ州東部の都市。オタワの南東約90キロメートル、セントローレンス川北岸に位置する。18世紀末、ロイヤリスト(英国系王党派)が入植。運河開通により、農畜産物の積出港として発展。セントローレンス水路公社のカナダ本社が所在。

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精選版 日本国語大辞典 「コーンウォール」の意味・読み・例文・類語

コーンウォール

  1. コーンワル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーンウォール」の意味・わかりやすい解説

コーンウォール
Cornwall

イギリスイングランド南西端の単一自治体(ユニタリー unitary authority)。コーンワルともいう。行政府所在地トルロー。2009年に県から単一自治体に移行した。イングランド南部から南西方向に突出してブリストル海峡イギリス海峡を分ける半島の先端部を占める。古生代末期のアルモリカ造山運動の影響を強く受けた地域で,大部分が褶曲を受けた旧赤色砂岩層からなるが,ところどころに花崗岩の貫入がみられ,長い浸食作用の結果,これら花崗岩が露出し,ボドミンムア台地をはじめとする台地やシリー諸島を形成している。イギリス海峡に面する南岸にはリアス海岸が発達し,テーマー川,フォイ川,ファル川などの川の河口部は樹枝状の入江となっている。早くから人が住んでいた地域で,ドルメンメンヒルアリニュマンなど先史時代の巨石記念物が多い。イギリスの先住民であるケルト系のブリトン人は,この地域で 11世紀頃までアングロ・サクソン人の支配に抵抗,ケルト系の言語は 18世紀まで用いられており,地名などにその名残りがみられる。鉱物資源に恵まれ,古くから銅やスズなどがとれるほか,花崗岩,カオリンなどが採掘される。18~19世紀当時の姿を残す採掘施設は 2006年世界遺産の文化遺産に登録された。主産業は農業で,穀物,飼料作物ジャガイモなどが栽培され,市場園芸も盛ん。西部では酪農が重要。風光と気候に恵まれ,近年観光業が発展し,かつての小漁港が海浜保養地としてにぎわう。南部沿岸では漁業も行なわれる。工業はあまり発展していない。面積 3546km2。人口 53万1100(2009推計)。

コーンウォール
Cornwall

カナダ,オンタリオ州東部の都市。セントローレンス川北岸にある。 1784年に王党派の人々が移住。 1843年にセントローレンス川の早瀬を避ける運河が開通してからは,酪農,混合農業地帯の中心的な港となった。アメリカ合衆国側とは橋で結ばれている。レーヨン,綿,パルプ工業が立地する。また,セントローレンス水路公社のカナダ側の本社がおかれている。人口4万 7137 (1991) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「コーンウォール」の意味・わかりやすい解説

コーンウォール
Cornwall

イギリス,イングランド南西端にある州。地名は〈コーンウォールのウェールズ人〉を意味した古英語に由来する。コーンワルとも呼ばれる。シリー諸島を含めて面積3546km2,人口51万9000(2005)。州都はボドミンBodminだが,行政機関はトルーローTruroにある。大西洋とイギリス海峡にはさまれたコーンウォール半島に位置し,グレート・ブリテン島最西端のランズ・エンド岬と最南端のリザード岬がある。丘陵とボドミン・ムアなどの山地から構成され,肉牛(デボン種)の粗放的放牧や酪農が卓越するが,温和な気候を利用した市場園芸も盛ん。特にシリー諸島のスイセンは有名である。このほかスズ,銅の採掘をはじめ,採石,船舶修理,ニシン漁も発達し,また現在は〈コーンウォールのリビエラCornish Riviera〉と呼ばれる南部海岸を中心に,観光開発が進められている。先史時代から対岸のブルターニュ半島や地中海地域との交流が盛んで,巨石記念物が多く残る。またローマ人,サクソン人の侵入にも最後まで抵抗して,アーサー王伝説の舞台にもなり,独自のケルト文化を保持した。しかしノルマン・コンクエスト(1066)までにはイングランドにほぼ同化された。きわめて少数の人びとによって用いられていたケルト語派コーンウォール語は今日死語であるが,地名や人名,鉱山・漁業用語には残存している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーンウォール」の意味・わかりやすい解説

コーンウォール(イギリス)
こーんうぉーる
Cornwall and Isle of Scilly

イギリス、イングランド南西端、コーンウォール半島の先端部を占めるカウンティ(県)。県域にはシリー島を含み、面積は3559平方キロメートル、人口50万1267(2001)。県都ボドミンBodmin。半島部の海岸線は出入りに富み、断崖(だんがい)と砂浜、岬と入り江が交錯する。冬はイギリス諸島でもっとも暖かく(ランズ・エンド岬の1月の月平均気温は6℃)、南海岸の年間日照時間は長い。恵まれた環境により、全国から観光、行楽の人々が訪れ、観光業を含むサービス業は県内随一の産業になっている。そのほか、採石業、漁業、農業、船舶修理業、機械工業が主要産業。古代には著名な錫(すず)の産地で、ギリシアフェニキアの商人の間にも知れ渡っていた。かつてケルト語派ブリタニック諸語の一つであるコーンウォール語が話され、英語に駆逐されて18世紀末には消滅したが、地名などの一部に残存し、その保存・研究が行われている。

[久保田武]

世界遺産の登録

コーンウォールから西デボンにかけての鉱山景観とその施設が2006年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「コーンウォールとウェストデボンの鉱山景観」として世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録された。

[編集部 2018年5月21日]


コーンウォール(カナダ)
こーんうぉーる
Cornwall

カナダ、オンタリオ州南東部の工業都市。人口4万5640(2001)。セント・ローレンス川北岸に臨み、オタワ南東85キロメートルに位置する。コーンウォール運河敷設に伴い河港となる。織物、製紙、木材加工業が行われる。建設は1776年と比較的新しい。

[山下脩二]

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百科事典マイペディア 「コーンウォール」の意味・わかりやすい解説

コーンウォール

英国,イングランド南西端の州。半島をなし,山がちで高地はダートムーア,エクスムーアなどの荒地。元来はケルト系の住民が住み,気候温暖で南岸は保養地が多く,野菜,花卉(かき)などの近郊農業が行われる。スズ,銅などの鉱産で知られたが,現在はカオリンを除き,衰微。3546km2。53万2273人(2011)。

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