ゴードン(Charles George Gordon)(読み)ごーどん(英語表記)Charles George Gordon

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゴードン(Charles George Gordon)
ごーどん
Charles George Gordon
(1833―1885)

イギリスの軍人。中国名は才登。スコットランドの名門の武人の家に生まれ、士官学校卒業後、クリミア戦争、ついで1860年アロー戦争に従軍し、北京(ペキン)占領、円明園(えんめいえん)焼き討ちに参加した。太平天国を鎮圧するためアメリカ人ウォードが組織した常勝軍が、給料問題などで麻痺(まひ)状態に陥っていたとき、イギリス軍司令官の推挙により、イギリス軍工兵少佐在籍のまま、63年常勝軍の司令官に就任して再建に努力した。以後、常勝軍は李鴻章(りこうしょう)の淮軍(わいぐん)に協力して、忠王李秀成麾下(きか)の太平軍から太倉、松江、蘇州(そしゅう)などの要地を奪回し、清(しん)の勝利に多大な寄与をし、チャイニーズ・ゴードンの名で勇名をうたわれ、清朝は彼に提督の官等を与えた。しかし『太平天国』の著者リンドレーは彼を中国人の正義の事象の圧殺者として口を極めて批判した。帰国後、エジプト・スーダン総督、モーリシャス島司令官、ケープ・タウン植民地軍司令官などを歴任したのち、スーダンのマフディー派の民族反乱鎮圧に総督として再起用され、ハルトゥーム市で10か月籠城(ろうじょう)したすえに戦死した。

[小島晋治]

『リンドレー著、増井経夫・今村与志雄訳『太平天国1~4』(平凡社・東洋文庫)』

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