シキミ(樒)(読み)シキミ(英語表記)Illicium anisatum; japanese anise tree

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シキミ(樒)
シキミ
Illicium anisatum; japanese anise tree

シキミ科の常緑高木。関東地方以西の本州,四国,九州から台湾や中国大陸に分布し,寺院や墓地などによく栽植されている。幹は高さ3~5mくらいで直立する。葉は倒卵状披針形の革質で,傷つけると香気があり抹香の原料にされる。春に,小枝葉腋に径 3cmほどの黄白色の花をつける。萼片と花弁はほぼ同形で合せて 12枚あり,中に多数のおしべがある。めしべは 10本前後で放射状に並び,互いに癒着して星形果実をつくる。種子は黄色で光沢がある。有毒植物の一つで,葉,樹皮,特に果実に強い毒性がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

シキミ【シキミ(樒) Japanese anise‐tree】

仏壇や墓に供えたり,葬式の花に最も普通に使われ,そのため単に〈花の木〉と呼ばれることも多い(イラスト)。シキミ科の2~15mの常緑の樹木。葉は互生し,全縁で先端は急に突出し鈍端。春に咲く花は淡黄緑白色。心皮は8個ほどで輪生し,多数のらせん配列するおしべに囲まれる。果実は袋果で,1個の黄土色の光沢のある種子が入っている。全木に芳香がある。暖温帯,本州,四国,九州,琉球,朝鮮最南部に分布する。日本海側では3mくらいまでの小高木であることが多い。

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世界大百科事典内のシキミ(樒)の言及

【有毒植物】より

…プラトンは著書《ファイドン》にソクラテスの手足が冷えやがて心臓が麻痺して死にいたる情景を描写している。シキミに含まれるアニサチン,6月ころに紅紫色の美しい実をつけるドクウツギに含まれるコリアミルチンは,ともに中枢神経を興奮させはげしい痙攣をさそい呼吸困難による死を招く。ドクゼリに含まれるシクトキシンも同様の作用を発揮する。…

※「シキミ(樒)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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