ジーンズ(英語表記)James Hopwood Jeans

デジタル大辞泉 「ジーンズ」の意味・読み・例文・類語

ジーンズ(James Hopwood Jeans)

[1877~1946]英国の天体物理学者。宇宙の進化や星のエネルギー発生に新説を唱えた。また、熱放射電磁気学の理論的解明にも功績を上げた。著「電気および磁気の数学的理論」「我が周囲の宇宙」など。

ジーンズ(jeans)

細綾織りの丈夫な綿布。スポーツウエア作業衣などに広く使われる。
ジーパン

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精選版 日本国語大辞典 「ジーンズ」の意味・読み・例文・類語

ジーンズ

〘名〙 (jeans)
① 細綾織のじょうぶな綿布。ふつう作業衣などに用いられ、紺色に染めたものが多い。ジーン
※外務省告示第十一号‐明治三五年(1902)一〇月四日「輸入税目 品名〈略〉綿布類〈略〉ジーンス(生地又は晒白)」
② ①で作ったズボンや服。特にズボン(ジーパン)をさすこともある。〔おしゃれ案内(1956)〕

ジーンズ

(Sir James Hopwood Jeans サー=ジェームズ=ホプウッド━) イギリス天文学者物理学者ケンブリッジ大学教授。「レーリー‐ジーンズの放射法則」を示す。天体力学的研究、電磁気の数理的理論の展開、星エネルギーの源泉などを論じ、宇宙進化論に関して独自の説を種々公表した。著に「気体の力学理論」「天文学と宇宙進化論」など。(一八七七‐一九四六

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改訂新版 世界大百科事典 「ジーンズ」の意味・わかりやすい解説

ジーンズ
James Hopwood Jeans
生没年:1877-1946

イギリスの天文学者,物理学者。ロンドンの生れ。ケンブリッジ大学に学び,1901年同大学特別研究員となる。その後渡米し,05-09年プリンストン大学教授,帰国後10-12年ケンブリッジ大学教授を務めた。1904年気体分子運動論の基礎を論じた著作《The Dynamical Theory of Gases》を刊行し,教科書の範として好評を博し,翌年この理論を応用し,レーリーの熱放射のエネルギー分布式を再度古典論の立場から跡づけ補正した(レーリー=ジーンズの放射則)。14年量子論を受け入れるや,以後,天文学の研究に転じ,回転流体の力学的取扱いを発展させ,太陽系起源についての潮汐説,連星の形成,星雲の形状・進化など天体物理学に関する独創的な研究を発表した。なお,星の構造に関するA.S.エディントンとの論争は有名である。1924-29年ローヤル・インスティチューション天文学教授,25-27年王立天文学会長,38-40年ローヤル・ソサエティ副会長などを歴任し,天文学と科学界の発展に貢献した。晩年は《われらをめぐる宇宙》(1929),《科学の新背景》(1933),《物理学と哲学》(1942)など多数の科学啓蒙書を執筆した。
執筆者:

ジーンズ
jeans

細い綾織の綿布,またそれで作られた衣服のことをいう。中世にファスティアンと呼ばれる丈夫で目のつまった綿布が労働着などに用いられていたが,ジーンズはその一種で,イタリアのジェノバからイギリス,フランスにもたらされたのでジャニュアjanua(genoa)と呼ばれ,しだいにジーンズと呼ばれるようになった。カーペット,靴下,胴衣などに使用され,白やオリーブ色,またインジゴで染めたブルー・ジーンズがあった。ブルー・ジーンズは1850年ころ,カリフォルニアに金鉱探しにやってきたリーバイ・ストラウスがテントを染めて作業衣を作り,性,年齢,身分をこえた衣服として広めたといわれる。ホワイトカラーに対して用いられるブルーカラーの語源ともいわれている。日本では1960年代以降ジーパンとしてファッション化し,老若男女を問わず爆発的に流行し,カジュアル・スタイルへの口火を切った。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジーンズ」の意味・わかりやすい解説

ジーンズ
Jeans, Sir James Hopwood

[生]1877.9.11. ロンドン
[没]1946.9.16. ドーキング
イギリスの数学者,物理学者,天文学者。ケンブリッジのトリニティ・カレッジで学び,1905~09年プリンストン大学で,1904~05年および 1910~12年ケンブリッジ大学で応用数学を講じた。大学を退いてからは,ロイヤル・ソサエティの要職を占め,またアメリカ合衆国のウィルソン山天文台の研究員になるなど,研究と著述に専念した。多くの著作を通じて科学の啓蒙普及に寄与,1928年ナイトの称号を授与された。数学を天文学や物理学に適用して,渦状銀河の発達,太陽系の起源,熱放射現象などを論じ,1905年レイリー=ジーンズの放射式を導いた。また,「ジーンズ不安定性」と呼ばれる,天体の形成論に必須の自己重力による不安定性という概念を確立した。これにより,自己重力によって形成される天体の最小の大きさ(ジーンズ波長)や最小質量(ジーンズ質量)を,母体となる星間雲などの密度と温度によって計算することができる。

ジーンズ

ジーパン」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「ジーンズ」の意味・わかりやすい解説

ジーンズ

厚地,細綾の綿織物,またそれで作られた衣服。丈夫なので作業服や遊び着にする。特にズボンの布地(インジゴで染めたブルー・ジーンズ)として知られる。ブルー・ジーンズは19世紀半ばアメリカのリーバイ・ストラウスが作り,広めた。日本では俗にジーパンと称する。
→関連項目インジゴカルバン・クラインリーバイス

ジーンズ

英国の天文学者,物理学者。1910年ケンブリッジ大学教授。熱放射現象を研究し,レーリー・ジーンズの式を導いた(1905年)。太陽系の起源に関し潮汐(ちょうせき)説(1916年)を唱え,渦状星雲の性質と進化,連星の成因,巨星と矮星(わいせい)の問題等を研究。《われらをめぐる宇宙》等科学解説書も多い。

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とっさの日本語便利帳 「ジーンズ」の解説

ジーンズ

ジェノバ(Genoa)▼イタリア北西部の港湾都市。ジェノバは中世フランス語で「Genes」、中世英語では「Jene」あるいは「Gene」で、この綴りが現代風になったのが「jean」。耐久力のある細綾織り綿布「ジーンズ」はここで製造され、外国へ輸出され、やがて、ジーンズ製のズボン、ジーパンの意となる。ちなみに、ジーンズとほとんど同義で用いられている「デニム(denim)」はフランス南部の都市ニーム(Nimes)に由来し、「ニームの」の意。

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