スパーク(読み)すぱーく(英語表記)Muriel Spark

デジタル大辞泉 「スパーク」の意味・読み・例文・類語

スパーク(spark)

[名](スル)
放電などによって火花が出ること。また、閃光せんこうを発すること。「パンタグラフスパークする」
ゲートボールで、タッチ後、自分のボールを片足で踏み、タッチしたボールを打撃方向に置き、自球を打った衝撃で、そのボールを動かすこと。スパーク打撃。
(比喩的に)火花が出るほどに激しく争うこと。「双方の議論がスパークする」
[類語](1閃光一閃閃きフラッシュストロボ光る

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精選版 日本国語大辞典 「スパーク」の意味・読み・例文・類語

スパーク

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] spark )
  2. ( ━する ) 火花や閃光(せんこう)のこと。また、火花が飛ぶこと。特に電気の放電によって生じる閃光をいう。スパークル。〔外来語辞典(1914)〕
    1. [初出の実例]「電車のスパークであらう。折々青白い閃光が小さく掠めた」(出典:学生時代(1918)〈久米正雄〉復讐)
  3. ( ━する ) 俗語。火花が飛ぶように一瞬視線を交わすこと。
    1. [初出の実例]「モギリにゐたZと甘ったるい一瞥をスパークさした事は云ふ迄もない」(出典:夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉御祖師様)
  4. 俗語。あっという間に終了すること。瞬間。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スパーク」の意味・わかりやすい解説

スパーク(Muriel Spark)
すぱーく
Muriel Spark
(1918―2006)

イギリスの女流小説家。エジンバラに生まれ、同地の長老教会派の女学校を卒業、中央アフリカで数年を過ごし、第二次世界大戦中は外務省の政治情報部に勤める。二つの詩の雑誌の編集に携わったあと、『オブザーバー』誌の短編小説コンクールに入選。長編『慰めるものたち』(1957)で文壇に認められ、以後ヒッチコックばりのスリラー仕立ての笑いに満ちたカトリック小説を次々に発表。代表作は、G・グリーンとE・ウォーの2人のカトリック系の先輩作家から激賞された『死を忘れるな』(1959)と、のちに映画化された『ミス・ブロウディの青春』(1962)であろうが、『マンデルバウム門』(1965)では政治的な主題にも挑んでいる。『運転席』(1970)、『邪魔をしないで』(1971)などでは笑いが乏しくなり、神による暗殺とでもいうべき不気味な設定で形而上(けいじじょう)的な恐怖に満ちた深淵(しんえん)を描くようになった。そして『乗取り』(1976)、『領土権』(1979)などでは、悪と、これに狡智(こうち)をもって対抗する者との二元的な図式が劇的に描かれている。

[出淵 博]

『深町真理子訳『運転席』(1972・早川書房)』『深町真理子訳『邪魔をしないで』(1981・早川書房)』『岡照雄訳『ミス・ブロウディの青春』(1973・筑摩書房)』『永川玲二訳『死を忘れるな』(1990・白水社)』


スパーク(Paul Henri Spaak)
すぱーく
Paul Henri Spaak
(1899―1972)

ベルギーの政治家。1932年労働党(1940年社会党と改称)の下院議員。1935年運輸相、1936年外相、1938~1939年初の労働党首相。1940年5月ドイツ軍の侵略とともにイギリスに亡命し、亡命政権の外相となった。戦後帰国して副首相兼外相、1946~1949年社会党単独内閣首相を務めたほか、1966年政界を引退するまで外相、首相を歴任した。国際的な政治家としても知られ、1945年第1回国連総会(ロンドン)議長、1948年ヨーロッパ経済協力機構OEEC)議長、1952年ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)総会議長、さらに1956年ヨーロッパ経済共同体(EEC)条約起草委員会議長、1957年北大西洋条約機構NATO(ナトー))第2代事務総長などの要職にあった。

[藤村瞬一]


スパーク(火花放電)
すぱーく

火花放電

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改訂新版 世界大百科事典 「スパーク」の意味・わかりやすい解説

スパーク
Muriel Spark
生没年:1918-2006

イギリスの女流作家。エジンバラに生まれ,同地の女学校を出たのち中央アフリカに赴く。1938年結婚(のち離婚),1児の母。第2次大戦中は外務省政治情報部に勤務,51年商業主義的クリスマスを諷した短編で文壇に登場したが,貧窮と神経症とに苦しみ,53年ローマ・カトリックに改宗。長編《慰める人々》(1957)でようやく認められ,70歳以上の老人ばかりの孤独な世界を描いた《死を忘れるな》(1959),ロンドンの独身者たちのグロテスクな世界を描いた《独身者たち》(1960),故郷エジンバラの女学校を舞台に,生徒に生きがいを授けるのに夢中な老嬢を描いた《ミス・ブローディの青春》(1961。1969年映画化,1978年テレビ・ドラマ化)など,一見残酷とも思われる笑いと洞察を生かした秀作をやつぎばやに発表して文壇的地位を確立した。その後も《マンデルバウムの門》(1965),《運転席》(1970),《面会謝絶》(1971)などを発表。その簡潔な文体と着想の秀逸さは現代イギリス文学の白眉である。
執筆者:


スパーク
Paul Henri Spaak
生没年:1899-1972

ベルギーの政治家。1932年労働党(1940年以後社会党と改称)から下院議員に選出され,以後引退するまでベルギーの内政・外交を指導した。ゼーラント内閣の運輸・逓信相(1935-36),外相(1936-37)として,ベルサイユ条約で放棄した伝統的な中立政策への復帰を推進し,続いて首相(1938-39),外相(1939),第2次大戦中,ロンドン亡命政権の外相兼労働相を歴任。戦後帰国し,外相(1944-46),社会党単独内閣首相(1946),外相(1946-47),第2次連立内閣(社会党,キリスト教社会党)首相(1947-49),外相(1954-58),ルフェーブル=スパーク内閣副首相兼外相(1961-65)を務め,66年引退。またこの間,第1回国連総会(ロンドン,1945)議長,ヨーロッパ会議議長(1949-51)などを歴任,第2次大戦後のベルギーの集団安全保障,ヨーロッパの統合に尽力した。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スパーク」の意味・わかりやすい解説

スパーク
Spark, Muriel (Sarah)

[生]1918.2.1. イギリス,エディンバラ
[没]2006.4.13. イタリア,フィレンツェ
イギリスの作家。中央アフリカ連邦 (ローデシア=ニアサンドラ連邦) で数年を過ごしたのち,第2次世界大戦中は外務省情報部に勤務。戦後,詩誌の編集にあたる。初の長編『慰めるものたち』 The Comforters (1957) 以来,『死を忘れるな』 Memento Mori (1959) ,『ペカム・ライ奇譚』 The Ballad of Peckham Rye (1960) ,『ミス・ブロディの青春』 The Prime of Miss Jean Brodie (1961) ,『マンデルバウム・ゲイト』 The Mandelbaum Gate (1965) ,『運転席』 The Driver's Seat (1970) ,『引継ぎ』 The Takeover (1976) など多作で,作風もユーモアに富んだファンタジーから,カトリック意識の横溢する深刻な小説まで幅広い。

スパーク
Spaak, Paul Henri

[生]1899.1.25. シェルベク
[没]1972.7.31. ブリュッセル
ベルギーの政治家。第2次世界大戦後,西ヨーロッパ諸国間の協力,ヨーロッパ経済共同体 EEC,北大西洋条約機構 NATOの結成,推進に重要な役割を果した。 1932年社会党下院議員,35年運輸・郵政・電信相,36年外相,38年初の社会党出身の首相。 39年辞任後,再び外相となり,ベルギーの中立に努力したがドイツ軍の侵略を受け,40年からロンドンに亡命。 44年帰国,45~47年外相 (その間 1946年には第1回国連総会議長) 。 47~50年首相,その間ヨーロッパ経済協力機構 OEEC,ヨーロッパ会議 Council of Europe諮問委員会議長。 52年ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体 ECSC総会議長,54~57年外相として EEC,ヨーロッパ原子力共同体 EURATOMの設立に奔走,57~61年 NATO事務総長,61~66年副首相兼外相。

スパーク
Spaak, Charles

[生]1903.4.25. ブリュッセル
[没]1975.3.4. バンス
ベルギーで生まれ,フランスで活躍したシナリオライター。多くの傑作があり,ことに J.フェデー,J.デュビビエの代表作の脚本はことごとく手がけている。主作品『外人部隊』 (1933) ,『地の果てを行く』 (1935) ,『女だけの都』 (1935) ,『我等の仲間』 (1936) ,『大いなる幻影』 (1937) 。

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IT用語がわかる辞典 「スパーク」の解説

スパーク【SPARC】

サン・マイクロシステムズが開発したRISC(リスク)型マイクロプロセッサーのシリーズ名。初代は1985年に開発。同社のUNIXワークステーションやサーバーに搭載される。◇「scalable processor architecture」から。

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百科事典マイペディア 「スパーク」の意味・わかりやすい解説

スパーク

ベルギーの政治家。第2次大戦中ロンドンで亡命政府首相。戦後は外相,首相を歴任。ヨーロッパ統合運動の中心的推進者で,ヨーロッパ経済協力機構やヨーロッパ会議の議長,NATO事務総長を歴任,EEC(ヨーロッパ経済共同体)創設に貢献した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「スパーク」の解説

スパーク
Paul Henri Spaak

1899~1972

ベルギーの政治家。第二次世界大戦中はロンドンに置かれた亡命政権の首相。戦後は外相から首相となり,国王レオポルド3世の復帰に反対。ヨーロッパ統合の推進役を務め,ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)議長,北大西洋条約機構(NATO)の事務局長などを歴任した。

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367日誕生日大事典 「スパーク」の解説

スパーク

生年月日:1903年4月25日
フランスのシナリオライター
1975年没

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デジタル大辞泉プラス 「スパーク」の解説

スパーク〔チェーン店〕

株式会社スパークが展開するスーパーマーケットのチェーン。主な出店地域は広島県。

スパーク〔筆記具〕

株式会社パイロットコーポレーションの油性ボールペンの商品名。ノック式。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「スパーク」の解説

スパーク

「SPARC」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のスパークの言及

【雷】より

…ところが大気に加わる電位差が1mあたり5×105Vをこえると,この絶縁が破壊され(大気の電離破壊が起こり),火花がとんで,瞬間的に電流が流れる。この種の放電を火花放電,スパークとよぶ。自然が起こす火花放電が雷で,このとき放射される光が電光,稲妻,あるいは稲光lightningで,音が雷鳴thunderである。…

※「スパーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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