光る(読み)ヒカル

デジタル大辞泉 「光る」の意味・読み・例文・類語

ひか・る【光る】

[動ラ五(四)]
光を放つ。また、光を反射して輝く。「蛍が―・る」「星が―・る」
美しく輝く。また、つや光沢がある。「灯火に―・る黒髪」「ひじの―・ったジャケット」「磨いて―・っている靴」
才能容貌人物・技術などが一段とすぐれて目だつ。「今年の新人の中で一番―・っている」「ひときわ―・った存在」
(「目がひかる」の形で)油断なく見張る。厳しく監視される。「官憲の目が―・っている」
明るく色あざやかに輝く。「野山新緑が―・る」
容姿などが、まばゆいほど美しく見える。
「いみじう白う―・りうつくしきこと皇子たちよりも」〈横笛
[類語](1輝く光り輝くきらめくひらめまたた照る照らす照り輝く照りえる照り付けるきらつくぎらつく発光する一閃いっせんする反照する/(2てらてらするてかてかする/(3映える目立つ際立きわだひいでる抜きん出る卓出する引き立つ顕著水際立つ著しいめぼしい目を引く人目を引く人目につく目に立つひときわおも立つとりわけ値千金掛け替えのない群を抜く卓抜卓越卓絶逸出素晴らしい素敵見事立派最高絶妙秀逸結構目覚ましい輝かしい妙なるえも言われぬ上手巧みうまい巧妙老巧達者器用賢い上出来上上物の見事結構尽くめ何より・申し分が無い・言う事無し天晴れナイスワンダフル目の覚めるよう目に染みる冴える抜群飛び抜けるずば抜ける頭抜ける並外れる人並み外れる度外れ断トツ非凡出色傑出一日いちじつの長素人離れ玄人はだし超人的

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「光る」の意味・読み・例文・類語

ひか・る【光】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 光を放つ。光がさす。光を発する場合にも、また、光を反射する場合にもいう。
    1. [初出の実例]「松浦川川の瀬比可利(ヒカリ)鮎釣ると立たせる妹が裳のすそぬれぬ」(出典:万葉集(8C後)五・八五五)
    2. 「もとひかる竹なん一すぢありけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 色彩などが輝く。光り輝くように美しくみえる。美しく映える。
    1. [初出の実例]「赤玉は 緒さへ比迦礼(ヒカレ)白玉の 君が装ひし 貴くありけり」(出典:古事記(712)上・歌謡)
    2. 「顔の色あひまさりて、つねよりもひかると見え給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
  4. 光沢を有する。つやつやしている。
    1. [初出の実例]「手摺れて垢光りに光った洋服」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  5. 容貌、容姿などが、まばゆいほどに美しくみえる。
    1. [初出の実例]「今は又、その世にもねびまさりて、ひかるとはこれをいふべきにや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  6. 装飾を施した物などがきらびやかに輝く。
    1. [初出の実例]「印籠のひかりたるはいと心にくし」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)
  7. 勢い、誉れ、徳などが盛んに現われる。威光を示す。光栄がある。
    1. [初出の実例]「秋津しまは赫(ヒカリ)に赫りて、誉、王畿(うちつくに)に重し」(出典:日本書紀(720)継体七年一二月(前田本訓))
  8. 金をたくさん持っている。金の威光がある。
    1. [初出の実例]「光(ヒカ)る旦那をこころ当、それもはづれてまごつくは」(出典:人情本・春色辰巳園(1833‐35)後)
  9. 色男然とする。通人ぶる。また、見せびらかすさまである。
    1. [初出の実例]「そう光られちゃア、おれがはめだ」(出典:洒落本・多佳余宇辞(1780))
  10. 人物、才能、技量、仕事などが、他よりも一段とすぐれる。ひいでる。
    1. [初出の実例]「段々にあなたの画が光って来るんですから」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉四)
  11. 目に、ある様子や表情が強く現われる。
    1. [初出の実例]「目は冴えた大きな目で、鋭い、才気の湛が暉(ヒカ)って居る」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉前)

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