ズーダーマン(読み)ずーだーまん(その他表記)Hermann Sudermann

デジタル大辞泉 「ズーダーマン」の意味・読み・例文・類語

ズーダーマン(Hermann Sudermann)

[1857~1928]ドイツ劇作家小説家自然主義代表作家。戯曲名誉」「故郷」、小説憂愁夫人」「猫橋」など。ズーデルマン

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精選版 日本国語大辞典 「ズーダーマン」の意味・読み・例文・類語

ズーダーマン

  1. ( Hermann Sudermann ヘルマン━ )[ 異表記 ] ズーデルマン ドイツの劇作家、小説家。自然主義に属する。代表作に小説「憂愁夫人」「猫橋」、戯曲「故郷」など。(一八五七‐一九二八

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ズーダーマン」の意味・わかりやすい解説

ズーダーマン
ずーだーまん
Hermann Sudermann
(1857―1928)

ドイツの作家。東プロイセンのハイデクルーク近郊でビール醸造業者の子として生まれる。父の事業の失敗後、苦学してベルリンなどの大学で学び、ジャーナリストとなる。1887年、処女作『憂愁夫人』で作家としてデビューしたが、彼の名を一躍高めたのは、89年ベルリンで「自由劇場」がハウプトマンの『日の出前』に続いて上演したドラマ『名誉』であった。この成功でシラーをもしのぐ劇作家として、ハウプトマンと並び自然主義を代表する作家と称せられた。以後、芸術家の悲劇を描いた『ソドム末路』(1891)、1912年日本でも島村抱月(ほうげつ)・松井須磨子(すまこ)の芸術座により上演された『故郷』(1893)、さらに喜劇『蝶々(ちょうちょう)合戦』(1895)など次々にドラマを発表したが、ズーダーマンは本来イプセンの系譜に属する自然主義作家ではない。彼のドラマは、イフラント、コッツェブーなどの市民劇形式に、デュマ(父)、サルドゥーにみられるフランス対話劇の会話を取り入れ、新旧時代の転換期における時事問題を自然主義的手法で表した「舞台芸術の名人芸」を示すものであった。彼の芝居は一時期大衆の喝采(かっさい)を博したが、作家としての本領フォンターネの作風を受け継ぎ、早くもトーマス・マンの心理的描写法やフレンセン、リーンハルトの郷土文学の特徴をうかがわせる小説にあった。作品としては『猫橋(ねこばし)』(1889)、『気の狂った教授』(1926)、故郷の風土と生活を自然主義的手法で描いた『リタウエン作品集』(1917)などがある。

[谷口 泰]

『生田春月訳『猫橋』(創元文庫)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ズーダーマン」の意味・わかりやすい解説

ズーダーマン
Hermann Sudermann
生没年:1857-1928

ドイツ自然主義の劇作家,小説家。デュマ・フィス,サルドゥーらのフランス風俗劇の影響に基づく社会劇《名誉》(1889),《故郷》(1893)などを書いて,市民社会の道徳的退廃を批判し,ハウプトマンと並び称された。故郷の地方作家としての素顔を示す小説は,東プロイセンの素朴な民衆生活を造形力豊かに描いている。処女作《憂愁夫人》(1887)は現代の発展小説,郷土文学に強い刺激を与えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ズーダーマン」の意味・わかりやすい解説

ズーダーマン
Sudermann, Hermann

[生]1857.9.30. マッチケン
[没]1928.11.21. ベルリン
ドイツの劇作家,小説家。苦学して大学を卒業。ジャーナリズムに関係,処女作の小説『憂愁夫人』 Frau Sorge (1887) で認められた。これは教養小説であるとともに,東プロシアの農民生活を描いた郷土文学でもある。続いて劇作にも筆を染め,社会批判を巧みな舞台効果と結びつけた戯曲『名誉』 Die Ehre (89) ,『故郷』 Heimat (93) で人気を博し,自然主義演劇の代表者としてハウプトマンと並び称された。ほかに戯曲『片隅の幸福』 Das Glück im Winkel (90) ,小説『猫橋』 Der Katzensteg (90) ,短編集『リタウエン物語』 Litauische Geschichten (1917) など。

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百科事典マイペディア 「ズーダーマン」の意味・わかりやすい解説

ズーダーマン

ドイツの自然主義作家,劇作家。小説家として人気があった。生地東プロイセンの農村を舞台に没落地主の子のおいたちを描いた小説《憂愁夫人》(1887年)は有名。ほかに《リュタウエン物語》,戯曲《故郷》など。

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