ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「セシル」の解説
セシル
Cecil, William, 1st Baron Burghley
[没]1598.8.4. ロンドン
イギリスの政治家。女王エリザベス1世の最大の功臣。セシル家の事実上の家祖。小ジェントリーの出身。ケンブリッジ大学と法学院に学び,1547年以降下院議員,摂政サマセット (公)の秘書になったがその失脚により一時投獄された。 50年ノーサンバーランド (公)に認められ,国務大臣。メアリー1世治世には再び官を追われたが,58年エリザベス1世の即位とともに首席大臣に任じられ,71年にはバーリー男爵に叙爵,翌年大蔵総裁となった。旧教徒と清教徒の攻撃に対抗し,中道をとってアングリカン・チャーチを確立させ,メアリー・スチュアートを擁立しようとするたびたびの陰謀をくじき,スペイン無敵艦隊の襲撃に対処するなど,40年間よく女王に仕えた。
セシル
Cecil of Chelwood,(Edgar Algernon) Robert Gascoyne-Cecil, 1st Viscount
[没]1958.11.24. ケント,タンブリッジウェルズ
イギリスの政治家。第3代ソールズベリ侯爵の3男。イートン校を経てオックスフォード大学卒業。 1906年保守党下院議員。第1次世界大戦中は統一党 (保守党が改称) の指導者。 15~18年外相代理兼封鎖担当相,19年のパリ講和会議では前外相 E.グレー,南ア連邦の J.C.スマッツ首相とともに国際連盟規約の草案を作成,20年国際連盟の第1回総会には南ア連邦代表として出席した。 23年 S.ボールドウィン内閣の国璽尚書,24~27年ランカスター公領相。 26~27年ジュネーブ軍縮会議のイギリス首席代表をつとめた。国際連盟の熱心な支持者で,37年ノーベル平和賞を受賞。
セシル
Cecil, Lord (Edward Christian) David
[没]1986.1.1. クランボーン
イギリスの批評家。侯爵家に生れ,オックスフォード大学卒業。 1948~70年同大学英文学教授。処女作『撃たれた鹿』 The Stricken Deer (1929) は,18世紀の詩人 W.クーパーの評伝で,名著として世評が高かった。その他『初期ビクトリア朝小説家論』 Early Victorian Novelists (34) ,『ジェーン・オースティン』 Jane Austen (35) ,『小説家ハーディ』 Hardy,the Novelist (43) など。
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