セチルアルコール(その他表記)cetyl alcohol

デジタル大辞泉 「セチルアルコール」の意味・読み・例文・類語

セチル‐アルコール(cetyl alcohol)

高級アルコール一種。化粧クリームや洗剤などに用いられる。セタノール

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改訂新版 世界大百科事典 「セチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

セチルアルコール
cetyl alcohol

天然に存在する代表的な鎖式飽和高級アルコールで,セタノールcetanol,1-ヘキサデカノールhexadecanolともいう。化学式CH3(CH214CH2OH。融点49.5℃,沸点189.5℃(15mmHg)。水に不溶,エーテルエチルアルコールに可溶な白色結晶。鯨蠟主成分として,パルミチン酸エステルの形で存在する。鯨蠟をアルカリ加水分解(ケン化)するか,パルミチン酸エチルを金属ナトリウムとエチルアルコールで還元して得る。アルカリ溶融すると,酸化されてパルミチン酸になる。軟膏基剤,とくに洗浄性軟膏に適するほか,化粧クリーム,ローションなどの製造に用いられる。
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化学辞典 第2版 「セチルアルコール」の解説

セチルアルコール
セチルアルコール
cetyl alcohol

C16H34O(242.45).CH3(CH2)14CH2OH.1-ヘキサデカノールともいう.パルミチン酸エステルとして鯨ろうやイルカ油などのなかに存在し,このパルミチン酸エステルをけん化すると得られる.無色無臭の結晶性固体.融点49 ℃,沸点344 ℃(101 kPa),190 ℃(2.0 kPa).0.811.水に不溶,エタノール,エーテル,クロロホルムベンゼンなどに可溶.軟膏基剤,化粧クリーム,ローションなどに用いられる.[CAS 36653-82-4]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

セチルアルコール
せちるあるこーる
cetyl alcohol

炭素16個が直鎖状に結合した高級アルコール。1-ヘキサデカノールともいう。欧米では照明用の油を得るために多量のクジラを捕獲したが、セチルアルコールはクジラから得られる鯨ろうの主成分の一つで、これから調製された。白色の固体で、アルコールやエーテルなどの有機溶媒には溶けるが、水には溶けない。常圧で蒸留すると分解する。軟膏(なんこう)の基剤として医薬品などに用いられてきた。この硫酸エステルのナトリウム塩は洗剤として利用される。

[徳丸克己]


セチルアルコール(データノート)
せちるあるこーるでーたのーと

セチルアルコール
  CH3(CH2)15OH
 分子式 C16H34O
 分子量 242.4
 融点  49.5℃
 沸点  189.5℃(15mmHg)
 比重  0.8105(測定温度60℃)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

セチルアルコール
cetyl alcohol

ヘキサデシルアルコールともいう。化学式 C16H33OH 。炭素原子数 16個の直鎖飽和アルコールで,マッコウクジラの鯨油に脂肪酸エステルとして他の高級アルコールエステルとともに存在する。融点 49℃,沸点 190℃ (15mmHg) 。酸化するとパルミチン酸を生成する。油に添加した場合,吸水性を増すので,特に洗浄性軟膏,化粧クリームなどに用いられる。

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栄養・生化学辞典 「セチルアルコール」の解説

セチルアルコール

 C16H34O (mw242.45).CH3(CH2)14CH2OH.天然の高級アルコール.マッコウクジラの油の中に脂肪酸のエステルの形で存在している.

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