タイ族(読み)タイぞく(英語表記)Dai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「タイ族」の解説

タイ族
タイぞく
Dai

中国西部の雲南省南部に居住するタイ系の少数民族。人口約 100万 (1990) 。シーサンパンナ (西双版納) タイ族自治州とデホン (徳宏) タイ族チンポー (景頗) 族自治州が設立されている。以前はパイイ (擺彝) ,ポなどと呼ばれた。瀾滄江 (メコン川) や竜川江,太平江 (エイヤーワディ川支流) の流域に住み,古くから水稲耕作に従事し,そのほか,茶や樟脳の生産も盛んである。ビルマ (現ミャンマー) から伝えられた部派仏教が信仰されている。南方から入った表音文字があり,仏教経典や彼らの歴史はその文字で記されている。なお,元~清代には,中国王朝から官位を与えられた封建領主 (土司) が農民を支配していた。

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精選版 日本国語大辞典「タイ族」の解説

タイ‐ぞく【タイ族】

〘名〙 東南アジア大陸部を中心に、北は中国雲南省、南はシャム湾沿岸からマレー半島、東はベトナム、ラオスから西はインドのアッサム地方にかけて広く分布する民族。タイ語系諸語を話しタイ文化を共有する。古くは中国四川省南部から雲南にかけての地方に住んでいたが、八、九世紀頃南下、半島部の先住民と混血した。

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世界大百科事典 第2版「タイ族」の解説

タイぞく【タイ族 Thai】

ひとつの民族としてのタイ族というのは,東南アジア大陸部を中心に,は中国南部,南はマレー半島,東はベトナム,西はインドのアッサム地方にかけて広く分布し,タイ文化を共有する人びとの総称である。伝統的な意味でのタイ族とは,(1)タイ語を話し,(2)仏教を信じ,(3)一般にをもたず,(4)低地・渓谷移動の水稲耕作民だとされている。しかし,広義のタイ族を考える場合には,こうした定義だけでは不十分である。タイ系諸族のなかには多数の非仏教徒がおり,タイ国やラオス国に住むタイ族は現在姓を用いているからである。

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世界大百科事典内のタイ族の言及

【稲作文化】より

…ただし,これらの組織は地域ごとに相違があって一様ではない。また,北部ラオスに住む黒タイ族のように水田稲作民でありながら階級組織をもつものもある。彼らの住居は,上記のような社会状況を反映して,集合住宅に似た長大家屋,すなわちロングハウスをつくって共同生活をする場合もあり,大家屋に多数の家族人口を収容する場合もある。…

【タイ】より

…一般に最低気温は12月か1月に,最高気温は5月初めにみられる。
【住民,言語】
 主たる住民は,言語学的にタイ・カダイ語群と呼ばれるグループに属するタイ系民族で,最も人口が多いのは中部タイを中心とし,タイ語(シャム語)を話すタイ族である。東北タイにはラオ族,北タイにはタイ・ユアン族,南タイにはパク・タイ族がそれぞれ優勢である。…

※「タイ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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