1981年に登録された世界遺産(自然遺産)で、パナマ東部、ダリエン地方にある自然公園。面積は約6000km2と広大で、太平洋岸のマングローブが繁茂する低湿地帯やヤシが茂る湿地帯、高温多湿の熱帯雨林、標高2000m近い雲霧林帯まで、多様な自然環境が混在する。この一帯は南北アメリカ大陸を結ぶ「地狭」という地理的条件から、氷期には動植物の避難所だったため、今でも独特な生態系をもち、北米のアライグマと南米のヤブイヌやカピバラ双方の種が共存し、植物では熱帯雨林のなかに1000種を超えるランが自生する。こうした多様な自然環境や、新たな動植物を発見する可能性を秘めていることなどが注目され、世界遺産に登録された。◇英名はDarien National Park