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(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)
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1986年4月26日,旧ソ連ウクライナ共和国の北辺に位置するチェルノブイリChernobyl’原発で発生した原子力発電開発史上最悪の事故。1986年8月にソ連政府がIAEA(国際原子力機関)に提出した事故報告に基づくと,事故により原子炉職員と消防士31人が死亡し,原発周辺30km圏から,隣接するプリピャチ市住民4万5000人を含め,13万5000人の住民が避難した。1989年には,原発から300kmも離れた地域にも高放射能汚染地域が広がっていることが新たに公表され,ベラルーシではさらに11万人もの人々の移住が決定された。
事故原因の見直しを行ったソ連原子力産業安全監視委員会特別委員会は1991年1月の報告で,〈事故の原因は,原子炉の欠陥とそれを知る立場にありながらしかるべき対策をとらなかった責任当局にある〉とした。
執筆者:編集部
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ソ連ウクライナのプリピャチ市にあった原子力発電所で,1986年4月26日に起った人類史上最悪の原子炉爆発事故。当局は事故の恐ろしさを理解しておらず,かつ真実を知らせなかった。火事を消し,破壊された炉をコンクリート壁で密閉するまでの作業に動員された兵士,消防士,炭坑夫数十万人が被爆した。地区住民の撤退も遅れ,被害を大きくした。被害は隣接するベラルーシにおいてはなはだしく,ロシア共和国でもブリャンスク地区が被害を受けた。多くの人が故郷を捨て,移住せざるをえなかった。チェルノブイリの事故はソヴィエト体制を震撼させ,グラスノスチとペレストロイカを必至にした。
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