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トマス・アクイナス Thomas Aquinas

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世界大百科事典 第2版の解説

トマス・アクイナス【Thomas Aquinas】

1225ころ‐74
イタリアの神学者,哲学者,聖人。スコラ学黄金時代を築いた思想家の一人。
[生涯と著作]
 皇帝フリードリヒ2世に仕える騎士アクイノのランドルフォとロンバルディア出身のテオドラの間の末子(3人の兄,5人の姉がある)として,父親の居城ロッカセッカで生まれる。領地がローマナポリのほぼ中間,教皇領と皇帝領の境界線に位置していたため,一族はたえず紛争にまきこまれ,トマスは武具の響き,軍馬のいななきにかこまれて幼年時代を送った。

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世界大百科事典内のトマス・アクイナスの言及

【アリストテレス】より

…以後その研究の中心は東方に移り,9~12世紀にはアリストテレスの影響を受けた哲学者がイスラム圏に輩出する。12~13世紀にかけてラテン語訳〈著作集〉がヨーロッパに伝わって急速に広まり,最初はキリスト教神学と対立したが結局はトマス・アクイナスによって神学と調和的にとり入れられて,前にもまして影響力を持つようになった。今日の主として科学の立場から,彼の学説は批判される点も多いが,〈実体〉と〈属性〉の区別に基づく論理的枠組と,それの含意する存在と価値の分離とは,近代自然科学の発展を支えてきたものであり,それだけに彼の哲学の投げかけている問題は今なお大きい。…

【神の存在証明】より

…このほかアンセルムスにさかのぼるア・プリオリ,もしくは〈本体論的〉と称せられる証明,すなわちわれわれが神について抱いている観念から直ちに神が必然的に存在することを結論しうる,という議論があり,こんにちでもその意味や妥当性をめぐって論争がある。経験から出発するア・ポステリオリ証明のうちで最も有名なのはトマス・アクイナスの〈五つの道〉であり,これは経験世界においてあきらかに認められる運動・変化,作動因の系列,存在の偶然・非必然性,完全性の段階,目的志向性などの事実から出発して,第一の動者,第一作動因,必然的存在,最高の存在,宇宙を統宰する知的存在であるところの神に到達する議論である。神の存在証明によって結論される〈哲学者の神〉と信仰の対象としての神を対立させる必要はないが,神の存在証明は神の探求を方向づける役割を果たしうるのみで,いわゆる神との〈実存的出会い〉にまでは導きえないことを忘れてはならない。…

【キリスト教】より

…アベラールは理性の自由を強調して異端視されたが,行きつく所はこれと同じであった。13世紀に入ってペトルス・ロンバルドゥスやトマス・アクイナスの構築するスコラ学の壮大な体系(《命題集》や《神学大全》)は,教皇至上主義と重なっていても,これとて霊魂の救いをめざす神秘主義的敬虔によって支えられていたのである。だが体系自体は14世紀にはくずれ,回復の見込みはなかった。…

【キリスト教文学】より

… 13世紀はキリスト教文芸復興として,多くの有名な神学者,論説家が輩出した。アルベルトゥス・マグヌス,その弟子であるトマス・アクイナス,フランシスコ会のR.ベーコンらはそのおもな者であるが,トマスには教皇ウルバヌス4世の命で聖体日のために作った数編のすぐれた賛歌や続唱があり,ことに《シオンよ,救主をたたえまつれ》は美しい詩である。しかし中世を通じ最大のラテン宗教詩は,トマーソ・ダ・チェラノTommaso da Celano(1190ころ‐1260ころ)の作とされる《怒りの日》で,最後の審判の日を歌い,今でも死者の葬送法会に常用される。…

【高利貸】より

… このような教義が確立する一方で,11世紀以降都市の経済活動が活発化するにつれて信用の供与が重要な問題となり,利子についてもさまざまな便法が考案された。例えば借り手が所定の期日に返済できず延納した場合,貸し手はその損害を請求できるとされ,トマス・アクイナスもそれを認めている。また一人が土地を他方に売り渡し,一定期間の後に買いもどすという方法も多用された。…

【コスモポリタニズム】より

…この考えを実質的に推し進めたのが原始キリスト教の無抵抗主義の唱道であり,ローマの軍国主義に対して平和的手段をとることは人間の基本的な義務であるとし,国家の権威の上に良心の権威をおいた。この思想は古代末期にいたってアウグスティヌスの《神の国》で神の浄福に輝く共同社会という形で,さらに,トマス・アクイナスの《君主統治について》の中では,数個の都市国家を包含する王国regnumを中世的帝国の合理的原則の体現とみなす考えとして示された。一方,中世末期イタリア諸都市の動乱に悩んだダンテは《帝政論》の中で世界帝国の理想をかかげ,全人類の手になる連邦国家の構想を述べた。…

【時間】より

…またこの点は,時間が被造かどうかの問題にも連なる。トマス・アクイナスは,世界の創造は〈時間とともにcum tempore〉行われたと考えており,〈時間においてin tempore〉創造が行われたものでないことを強調して,神の超時間性を強く主張した。 自然科学的な時間概念はニュートンの〈絶対時間〉と〈相対時間〉の区別(これは空間にも並行的に適用される)から始まったと言われる。…

【自然法】より

…つまり人間をもしそれが何であるか,と問う観点からみれば人間の〈本質essentia〉が問われ,同じ人間をそれは存在するかどうかを問う観点では人間の〈実存existentia〉が尋ねられているのであるが,個々の具体的な人間は,この本質と実存との不可分的合体である。そしてプラトンはこの本質をイデアと呼び,アリストテレスやトマス・アクイナスはこれを形相(エイドス)と呼んだ。この形相が人間を人間として規定して,犬や樹木や石から人間を異ならしめる。…

【神学】より

…スコラ神学はアリストテレス哲学の強い影響を受けつつ,ペトルス・ロンバルドゥスの《命題集》など教義の綿密な解釈を行い,高度に論理的・演繹的な神学体系を構成した。トマス・アクイナスの《神学大全》がその代表的な成果である。神学と哲学,信仰と理性とが階層的調和にもたらされることによって,信仰の真理の学問的基礎づけとしての神学は完成され,ローマ・カトリック教会の神学の支柱となった。…

【神学大全】より

トマス・アクイナスの主著。教科書として使用できる,神学(トマスの用語では〈聖教sacra doctrina〉)の簡潔な体系的解説書。…

【スコラ学】より

…この時期,普遍(類と種)をめぐる論争(普遍論争)が盛んに行われた。 13世紀の盛期スコラ学の特徴は,学としての神学の成立であり,いいかえると,アルベルトゥス・マグヌス,トマス・アクイナス,ボナベントゥラなどにおける,信仰と理性との偉大な総合である。その背景にはパリ,オックスフォードなどの大学における活発な学問活動,アリストテレス哲学の導入,ドミニコ会,フランシスコ会を先端とする福音運動の推進などの積極的要因が見いだされる。…

【超越】より

…ふつう〈一unum〉〈真verum〉〈善bonum〉などが〈超越(するもの)transcendens,transcendentia〉と呼ばれ,〈ものres〉〈或(あ)るものaliquid〉〈美pulchrum〉などが加えられることもある。超越理論の歴史は〈在るもの〉と〈一〉とをめぐるアリストテレスの形而上学的思索にまでさかのぼり,新プラトン主義哲学,およびその影響を受けたキリスト教およびイスラムの思想家たちによって発展させられたが,その体系的解明は13世紀において,とりわけトマス・アクイナスによって成就された。トマスによると,超越あるいは〈超越的名称nomina transcendentia〉とは,すべての〈在るものens〉にともなう特性もしくはそのあり方をさす。…

【天使】より

… 中世のスコラ神学者は,主の使いに関する聖書の教え,天球層sphaeraおよび天体の運動の原因としての精神的・知的実体に関するプラトン,アリストテレス以来の宇宙論的・天文学的理論,および人間よりも上位の純粋に精神的な存在に関する形而上学的思弁などの源泉から,天使(およびその堕落した集団=堕天使としての悪霊ないし悪魔)に関する神学的・哲学的理論を展開した。その中でもっとも体系的かつ包括的な天使論を構築したのはトマス・アクイナスである。彼の天使論は《神学大全》のかなりの部分(第1部50~64,106~114問題)および《定期討論集――精神的被造物について》《分離的実体についての論考》において展開され,天使は純粋形相であって質料を含まない,と主張したことによって保守的神学者と対立した。…

【トミズム】より

…トマス・アクイナス自身の哲学・神学体系,および後世の人々によるトマスの基本的立場ないし学説の体系的解明および展開をさしていう。トマスがアリストテレス,新プラトン主義哲学,アウグスティヌスをはじめとする教父たちの思想,アラビアおよびユダヤの哲学思想などを総合してつくりあげた独自の哲学思想は,同時代人および直後の世代の理解を超えるものであった。…

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