タイ料理でもっとも有名なスープの一つ。トムは煮る・ゆでる、ヤムは混ぜる、クンはエビを意味する。
トムヤムクンをはじめとするタイ料理には、独特の味と香りがある。辛味はトウガラシによって加えられる。日本とは異なり生で使うのがほとんどである。うま味は、魚に塩を加えて発酵させたものの上澄み液である魚醤(ぎょしょう)(魚醤油(うおじょうゆ)、タイではナンプラーという)や、エビに塩を加えて発酵させたペースト状の蝦醤(かしょう)(カピ)によってつくられる。これらは、それぞれ日本のしょうゆ、みそにあたる。
トムヤムクンは酸味と辛味の絶妙なバランスのスープである。具はエビとフクロタケ、タケノコに青菜などで、それにレモングラス、バイ・マックルー(コブミカンの葉)、ショウガ、ニンニク、パクチー(コエンドロのタイ語名。中国語名はシャンツァイ)の根、タマリンド、トウガラシなどさまざまなスパイスを加え、最後にパクチーの葉を彩りに散らす。素焼きのポットに入れて出され、タイ米にかけて食べることもある。
[田中伶子]
「トムヤムクン」は同名称で2024年(令和6)、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。
[編集部]
『繁盛店メニュー戦略編集部編『エスニック料理』(1988・同朋舎出版)』▽『梁超華著『アジア エスニック料理』(1992・柴田書店)』
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