溶食作用を受けやすい石灰岩台地の地表に生ずるすりばち状のくぼ地。ドリーネは谷を意味するセルビア語ドリーナdolinaに由来する。イギリスやアメリカでは,落込穴sinkholeという。ほとんどの石灰岩台地にみられ,カルスト地形の基本的な地形とみなされている。日本では山口県の秋吉台,福岡県の平尾台に多く発達している。その典型的なものは円形で,漏斗状や皿状をなすが,不整形のものも多い。大きさは径数mから数百mまでさまざまである。ドリーネの内壁斜面には石灰岩が露出し,底部には赤色の粘土質土壌が堆積し,ときにはポノールponorという吸込穴がみられることがあり,降雨を集めて地下へ排水する。ドリーネの底部が地下水面に達すると,ドリーネ湖が生ずる。アメリカのフロリダ半島の石灰岩地域は多くのドリーネが湖沼群をなしていることで知られる。
執筆者:三浦 肇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
doline ,sinkhole
カルスト地域にみられる溶食によって生じた漏斗状の閉塞している凹地形。底にはシンクホール(吸込み穴)がある。英国ではドリーネとシンクホールを区別するが,米国ではともにシンクホール。ドリーネはセルボクロアチア語で谷を意味するドリーナ(dolina)の複数形。旧ユーゴスラビアでは,英語のドリーネに相当する地形はブルタッチャ(vrtača)と呼ぶ。溶食凹地形としてのドリーネの直径は通常数m~数百m,深さは数m~100m余。地下の洞窟系が発達して地形が陥没して生ずる凹地は,陥没ドリーネ(collapse doline)。陥没によって地下川が露出し地表水として見えているものを,カルストの窓(karst window)と呼ぶ。スロベニアのシコツヤンスカヤマが典型例。
執筆者:漆原 和子
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石灰岩地域に発達するすり鉢状の窪地(くぼち)。カルスト凹(おう)地形の一種。成因には、降雨による溶食の場合、地下の鍾乳洞(しょうにゅうどう)の拡大により地表が陥没してできる場合などがある。平面は円形または楕円(だえん)形、直径は1メートル前後から100メートル以上に及ぶものまでさまざまである。ドリーネの底には粘土質のテラロッサ(赤色土壌)が発達し耕地となっているところもある。ドリーネが発達するとウバーレになる。
[三井嘉都夫]
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…カルスト地形の完全な発達のためには,とくに溶食作用の十分な進行に有効な高度や起伏をもつことが重要な条件となる。
[カルスト景観]
石灰岩の広く露出している地域では,岩石の弱線に沿って溶解が進むにつれて,局地的に地表が低下したり,地下溶食によって生じた地下の空隙が陥没したりして,ドリーネdolineと呼ぶ凹地(くぼ地)が各所に発生する。地表流はこれらの凹地を通じて地下に排水されるので,普通の河川はできないで,その代りに地下水系(隠蔽水系)が発達する。…
…カルスト地形の完全な発達のためには,とくに溶食作用の十分な進行に有効な高度や起伏をもつことが重要な条件となる。
[カルスト景観]
石灰岩の広く露出している地域では,岩石の弱線に沿って溶解が進むにつれて,局地的に地表が低下したり,地下溶食によって生じた地下の空隙が陥没したりして,ドリーネdolineと呼ぶ凹地(くぼ地)が各所に発生する。地表流はこれらの凹地を通じて地下に排水されるので,普通の河川はできないで,その代りに地下水系(隠蔽水系)が発達する。…
※「ドリーネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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