精選版 日本国語大辞典 「ニクロム」の意味・読み・例文・類語
ニクロム
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ニッケルとクロムをおもな成分とする合金で,おもに高温発熱体として使われている。電気抵抗が高く,耐酸化性がよいので空気中で高温に加熱して使用でき,高温で長時間使用しても性質の劣化が少ない。線や帯に加工することができて,ふつう,ニクロム電熱線,ニクロム電熱帯として,家庭用の電熱器から工業用の電気炉にいたる広い範囲で,電流を流して高温を得る発熱体に使われている。ニッケル約80%,クロム約20%の第1種,ニッケル約60%,クロム約15%,鉄約25%の第2種があり,最高使用温度は第1種では約1100℃,第2種は1000℃以下である。線としては直径約0.05mmから約10mmのものがつくられている。ニッケルを含んではいないが,同様の用途に使われる合金に鉄クロムがある。
→抵抗材料
執筆者:大久保 忠恒
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NiとCrを主成分とし,おもに電熱材料として用いられる合金.JIS(C-2520)の一種は20質量% Cr-80質量% Ni,二種は16質量% Cr-60質量% Ni残りFeで,最高使用温度はそれぞれ約1100 ℃ および950 ℃.電気比抵抗はいずれも銅の60~70倍である.同様の電熱材料として用いられる17~26質量% Fe-2~6質量% Cr-Al合金より融点が低いため最高使用温度は低いが,1100 ℃ 以下での耐酸化性や強度がすぐれ,高温で長時間使用してもあまりもろくならず,冷間での成形加工性もよいので,線,板,帯,はくなどの形で,アイロンや電熱器などの家庭用品や工業用の抵抗発熱体として広く用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
ニッケルとクロム、あるいはこれに少量の鉄を加えた合金の商品名。一般にはニッケルクロム(鉄)電熱合金の総称として用いられることが多い。この種の合金は電気抵抗率が約110マイクロオーム・センチメートルと高く、また抵抗率の温度による変化も比較的小さく、さらに高温での強さも大きく、化学的にも安定であり、そのうえ加工も容易であることなどから、電熱用抵抗体、電流調節用抵抗体などに用いられる。代表的組成はニッケル60~90%、クロム10~35%である。これに鉄を20%程度加え、低価格としたもの(ただし耐熱性はやや劣る)もある。
[及川 洪]
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