ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハクセキレイ」の意味・わかりやすい解説
ハクセキレイ
Motacilla alba; white wagtail
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スズメ目セキレイ科の鳥。全長約20cm。背面が灰色または黒色,胸も黒いが,顔や腹は白く,全体に白っぽいセキレイである。ユーラシア大陸に広く分布し,高緯度地方で繁殖するものは冬に南方へ渡る。雄の頭部と背面の白黒紋様は非常に変異に富み,ユーラシア大陸中部の灰背型とイギリス,東アジアの黒背型の2グループに大別され,さらに数多くの亜種に分類される。亜種の進化は氷期に個体群が隔離された結果起こったと解釈されている。日本では3亜種が知られる。ハクセキレイM.a.lugensは東北日本の海岸地方で繁殖し,近年海岸沿いに南へ分布を広げている。ホオジロハクセキレイM.a.leucopsisは西南日本の低地で繁殖することが近年確認されたが,分布を北東に広げている。この2亜種が分布を広げている要因については,まだよくわかっていない。もう1亜種のタイワンハクセキレイM.a.ocularisは日本では繁殖しない。いずれも海岸や河口,河川下流域,低地の水辺にすみ,地上のへこみや石・建造物の隙間に巣をつくって,1腹4~6個の卵を産む。非繁殖期には昼間分散採食し,夜は大きな集団でねぐらにつく。
→セキレイ
執筆者:長谷川 博
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…【長谷川 博】。。…
… セキレイ類の分布域は旧世界で,主として旧北区を中心に生息している。しかし,近年ハクセキレイとツメナガセキレイは新大陸にも分布を広げ,アラスカの一部でも繁殖している。日本では,キセキレイ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ツメナガセキレイ,イワミセキレイの5種が繁殖し,キガシラセキレイがまれに渡来する。…
※「ハクセキレイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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