日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハワード(Sidney Coe Howard)
はわーど
Sidney Coe Howard
(1891―1939)
アメリカの劇作家。カリフォルニア出身。同地の大学を卒業後、ハーバード大学のG・P・ベーカー教授の演劇教室に学ぶ。学生時代から盛んに創作し、第一次世界大戦従軍後、出版、新聞関係で働く間に詩劇『剣』(1921)が職業的には初めて上演されるが、認められたのは『彼らは何が欲しいか知っていた』(1924。ピュリッツァー賞受賞)である。手紙の交換で結婚した知性よりも感情を尊重する男女3人の心理を巧みに描いたこの作品は、重ねて映画化され、ミュージカル(『最高に幸せな奴(やつ)』)にもなった。他の代表作には『銀のひも』(1926)、『黄熱病』(1934)などがあり、また、共作、翻訳翻案、シンクレア・ルイスの小説の脚色などもある。友人らと劇作家育成機関を発足させるが、交通事故で死亡し、彼を記念する年間秀作賞が設けられた。
[森 康尚]
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