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バイフ Baïf, Jean Antoine de

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バイフ
Baïf, Jean Antoine de

[生]1532.2.19. ベネチア
[没]1589.10. パリ
フランスの詩人,ユマニスト。外交官の父とイタリア女性との間に生れ,幼い頃から古典の教育を受けた。 J.ドラを家庭教師に迎え,のちにコクレ学寮でもその指導を受けた。同学のロンサールデュ・ベレーらとともにプレイヤッドを形成し,詩だけでなく劇作,古典劇の翻訳も含めて,膨大な作品を残した。恋愛抒情詩を含む『韻文作品集』 Euvres en rimes (1573) ,独自の発音記号による綴字法と音量詩句による新しい韻律法を提唱した『詩の贈り物』 Etrénes de poézie fransoêze en vers mezurés (74) が注目される。ほかに,諺,格言に関する『世態人情,教訓,諺』 Mimes,enseignements et proverbes (76) もラ・フォンテーヌの先駆的作品とみなされる。 1570年「詩歌音楽アカデミー」を創設。

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世界大百科事典 第2版の解説

バイフ【Jean‐Antoine de Baïf】

1532‐89
フランスの詩人。1547年以降,パリのコクレ学寮においてギリシア語学者ドラの指導のもとに人文学の研究,詩作を始める。学友ロンサールらとともに,古典およびイタリアの詩作品を模範として,フランス語の表現力を高め詩の革新を実現することを主張するグループ,のちにロンサールによって〈プレイヤード〉と名付けられる詩派を形成する。彼の作品には《メリーヌへの恋愛詩集》(1552),《フランシーヌへの恋愛詩集》(1555)があり,これにより女性と恋愛を技巧的な表現をもって扱うペトラルカ風の詩作の流れに連なる。

バイフ【Lazare de Baïf】

1496ころ‐1547
フランスの人文学者,外交官。若くしてローマに留学し,古代ギリシア語に習熟して帰国。ビュデに続く世代の代表的古代学者と目される。国王フランソア1世に仕え,1529年ベネチアに大使として赴任。現地の女性との間にやがて詩人・喜劇作家として大成するジャン・アントアーヌをもうける。34年帰国後はパリ高等法院評議官や王室請願聴聞官などを歴任したが,これと並行して古代文化の考古学的・実証的研究に心血を注いだ。《古代衣装考》(1526)や《古代船舶考》(1536)はその成果を集成したもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バイフ
ばいふ
Jean Antoine de Baf
(1532―1589)

フランスの詩人。イタリアのベネチアに生まれる。プレイアード詩派の一員。ギリシア学者ドラJean Dorat(1508―88)について、パリのコクレ学寮でロンサール、デュ・ベレーとともに学び、プレイアード詩派の前身「部隊(ブリガード)」Brigadeを結成する。ペトラルカ風の恋愛詩はじめ、さまざまなジャンルの詩作を試みるとともに劇作をも行う。シャルル9世の庇護(ひご)のもとに、1570年「詩歌音楽アカデミー」を設立し、音楽と詩の融合を目ざす。また古代流の韻律詩句(長短の音綴(おんてつ)の交置による)や綴字法の改革など、種々の実験的な試みを行う。詩人としては凡庸であったが、博学で創意に富んでいた。『メリーヌへの恋歌』Les Amours de Mline(1552)、『フランシーヌへの恋歌』Quatre livres de l'Amour de Francine(1555)、『韻文作品集』(1573)、『詩の贈物』(1574)、格言詩『世態人情』Mimes, Enseignements et Proverbes(1576)、劇作『勇者』Le Brave(1567)などの作品がある。橋由美子]

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世界大百科事典内のバイフの言及

【シャンソン】より

…一派の領袖ロンサールは,本来,詩が歌われるべきものであることを繰り返し説き,自らの《恋愛詩集Les amours》(1552)巻末にジャヌカンらによる作曲の実例を添え,収録の全詩がその実例のいずれかに則して歌えることを示し,分類している。また,同派のJ.A.deバイフが1570年にシャルル9世の勅許を得て音楽家クールビルJoachim Thibault de Courville(?‐1581)とともに創設した〈詩と音楽のアカデミーAcadémie de Poésie et de Musique〉では,古典詩法にならって音節の長短をそのまま長短の音符に移そうとする〈韻律音楽musique mesurée à l’antique〉の試みがなされた。16世紀後半の代表的音楽家としてはJ.アルカデルト,コストレGuilaume Costeley(1530か31‐1606),O.deラッスス,ル・ジュヌClaude Le Jeune(1528ころ‐1600),A.ベルトランらが挙げられるが,最上声部支配のホモフォニックな書法と並んでポリフォニックなものの復活,さらにイタリアのマドリガーレに由来する音画技法や半音階法などとも相まって,その様式は多様化している。…

【フランス音楽】より

…ただし16世紀中ほどからイタリア音楽の影響で世紀初めの素朴な性格は薄れた。 しかしイタリア文明との出会いは,非キリスト教的古代への関心を誘い,詩人のJ.A.deバイフは勅許を得て1570年に〈文芸音楽アカデミー〉を設立,古代に学んで詩の韻律的な律動を厳密に追っていくシャンソンの作法を唱道し,ル・ジュヌClaude Le Jeune(1528から30‐1600),コートレGuillaume Cotelay(Costeley)(1530ころ‐1606)らが佳品を残した。 ル・ジュヌ,グディメルはユグノーの音楽家でユグノー詩編に作曲した。…

※「バイフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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