熱膨張係数の異なる2枚の合金薄板を張り合わせて1枚の板とし、温度変化に伴う各合金の伸びの違いによる曲がり(温度上昇に伴い低膨張材側へ曲がる)を利用するもの。この曲がりをそのまま(拡大して)利用するものに、バイメタル温度計や温度自動記録計がある。さらに、この曲がりにより電気接点を開閉する温度調節計などがある。もっとも代表的な例は青銅(銅‐スズ合金)とアンバー(鉄‐ニッケル合金)の組合せで、この場合には線熱膨張係数の差は1℃当り1.8×10-5となる。用途により各素材の厚さを変えたり、中間に別の金属を挟んだりして、曲がりの程度や強さを加減する。普通のバイメタル温度計の目盛り範囲は零下20~プラス150℃程度のものが多いが、青銅‐アンバーの組合せでは最高650℃までは使用可能である。
[及川 洪]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
熱膨張率の異なる2種類の薄い金属板を溶接して重ね合わせたもの.平板,渦巻,つる巻など多くの形があるが,いずれも温度上昇により熱膨張率の大きい金属が小さい金属より伸びるため,小さい金属側に湾曲することを利用する.アンバー(invar;膨張率がきわめて小さいFe-36.5質量% Ni)合金と青銅(Cu-Sn合金)もよく使われるが,100 ℃ 以下用には黄銅-ニッケル鋼,150 ℃ 以下には黄銅-アンバー合金,250 ℃ 付近ではモネルメタル(Ni-28質量% Cu-ニッケル鋼),400 ℃ 付近には含有量の異なるニッケル鋼どうしを組み合わせてつくる.バイメタル温度計,温度調節器に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…熱膨張を嫌う標準尺など精密計測機器の部品材料として使われる。身近の応用例としてはバイメタルがある。鉄Fe63.5%,ニッケルNi36.5%のものをとくにいうが,同様のインバー特性を示すものは,鉄‐白金(Fe‐Pt)系,鉄‐鉛(Fe‐Pb)系あるいはクロムCr基合金にもある。…
※「バイメタル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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