バリオン(英語表記)baryon

翻訳|baryon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バリオン
baryon

ハドロンのうち,スピンが半奇数でフェルミ統計に従う素粒子重粒子ともいう。バリオンはバリオン数 1をもち,3個のクォークからなる複合粒子で,核子ストレンジクォーク(s)を含むハイペロンチャームクォーク(c)を含むチャームバリオン,ボトムクォーク(b)を含むボトムバリオンなど多数発見されている。さらにΔ粒子や N粒子など多数の共鳴粒子がある。陽子以外のバリオンは弱い相互作用で,共鳴粒子は強い相互作用で軽いバリオンに崩壊し最終的には陽子になる。種々の大統一理論では陽子の安定性は否定されているが,今日までの実験では陽子の崩壊は発見されていない。

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百科事典マイペディアの解説

バリオン

重粒子とも。素粒子の分類の一つ。核子とそれより重いスピン半奇数の素粒子。Δ粒子,Σ粒子Ξ粒子およびその反粒子などがある。素粒子の反応の前後ではバリオン数(光子・レプトン中間子ではO,バリオンでは1,その反粒子では−1と定義される数。多粒子系ではバリオンの個数からその反粒子の個数をひいた数となる)は保存されることが確かめられているが,陽子崩壊などでは保存されない。→ハイペロンスーパーカミオカンデ
→関連項目ハドロン粒子線治療

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世界大百科事典 第2版の解説

バリオン【baryon】

重粒子ともいう。強い相互作用をもつハドロンのうち,バリオン数(素粒子の種類によって決まる量の一つ)1,半整数スピンのものをバリオンと呼ぶ。バリオンのうちもっとも以前から知られていたのは陽子,中性子であり,現在ではクォーク体の結合系と考えられている。そのほかにもストレンジネス,チャーム,ボトムなどの新しいフレーバー自由度をもつバリオンもたくさん見つかっている。素粒子の反応の前後ではバリオンの数とバリオンの反粒子の数との差は一定ということがわかっており(バリオン保存則),このいちばんいい証拠はもっとも軽いバリオンである陽子が非常に安定に存在することである。

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大辞林 第三版の解説

バリオン【baryon】

半整数スピンをもつ素粒子のうち、ハドロンに属するものの総称。陽子、中性子、 Λ ラムダ粒子など20種以上ある。重粒子。

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世界大百科事典内のバリオンの言及

【素粒子】より

…ハドロンは強い相互作用をするのが特徴であるが,電磁相互作用や弱い相互作用もする。ハドロンのうち,バリオン数1のものをバリオン(重粒子)と呼び,陽子,中性子のほかΔ,Λ,Σ,Ξ,Ωなどの粒子が含まれる。バリオン数-1のものを反バリオンと呼び,これは上のおのおののバリオンの反粒子である。…

※「バリオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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