出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
強い相互作用をする重い粒子で,重粒子ともよばれる.フェルミ統計に従う.質量1000 MeV 以上.ハドロンに属する.陽子,中性子,Λ,Σ,Ξ,Δ,Ω粒子など.電荷0,+1,-1.3個のクォークからなる粒子で,陽子,中性子がもっとも普通のもの.陽子はuud,中性子はudd.uはアップクォーク,はダウンクォーク.バリオン中,唯一安定と思われるものは陽子のみ.ただし,絶対に安定とする理論的根拠はなく,もともとカミオカンデ(神岡鉱山)は陽子崩壊を検証するための実験装置であった.現在,崩壊は観測されていない.中性子の半減期は12.5 min.Λ,Σ,Ξ,Ω粒子の寿命は 10-10 s 程度.2003年,最初にわが国のSPring-8で,その後,アメリカのジェファーソン国立研究所でも,2個のクォークと2個の反クォークからなる粒子と,4個のクォークと1個の反クォークからなるバリオンがつくられたとの報告がある.これらはexotic baryonとよばれる.バリオンの語源はギリシア語の“重い”を意味する言葉βαρυζに由来する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
重粒子ともいう。強い相互作用をもつハドロンのうち,バリオン数(素粒子の種類によって決まる量の一つ)1,半整数スピンのものをバリオンと呼ぶ。バリオンのうちもっとも以前から知られていたのは陽子,中性子であり,現在ではクォーク3体の結合系と考えられている。そのほかにもストレンジネス,チャーム,ボトムなどの新しいフレーバー自由度をもつバリオンもたくさん見つかっている。素粒子の反応の前後ではバリオンの数とバリオンの反粒子の数との差は一定ということがわかっており(バリオン保存則),このいちばんいい証拠はもっとも軽いバリオンである陽子が非常に安定に存在することである。陽子がもし崩壊するとしても寿命は1031年をこえることが最近の実験でわかっている。
→素粒子
執筆者:猪木 慶治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新