パイオニア(英語表記)Pioneer

精選版 日本国語大辞典 「パイオニア」の意味・読み・例文・類語

パイオニア

〘名〙 (pioneer) ある分野開拓者先駆者
※パイオニアーの悪戦(1908)〈白柳秀湖〉「此孤独の先導者(パイオニアー)に石を投げ、市場の塵を浴せかける」

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デジタル大辞泉 「パイオニア」の意味・読み・例文・類語

パイオニア(pioneer)

他に先駆けて物事を始める人。先駆者。開拓者。「日本における半導体パイオニア
[類語]開拓者創始者・創業者・草分け

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パイオニア」の意味・わかりやすい解説

パイオニア
Pioneer

惑星間空間探査のために計画されたアメリカの第1世代の無人人工探査機シリーズの一つ。最初の5機のパイオニア (0~4号) は近傍を調べることが目的であり,他のパイオニアは惑星を探査し,惑星間空間の粒子磁場の作用を調べるものであった。 1965年に打ち上げられたパイオニア6号は,地球金星の間の空間状態を調べるために太陽を回る軌道に打ち上げられた。それによって,太陽のコロナコホーテク彗星の尾に関する情報だけでなく,太陽風や太陽からの宇宙線に関するデータも取得した。 1972年のパイオニア 10号は,1973年に木星の近くを飛行した際,木星の磁気圏が巨大な尾状に広がっていることを発見した。 1973年のパイオニア 11号は,パイオニア・サターンとも呼ばれるが,1974年 12月に木星付近を通過,1979年9月には土星から2万 1000km付近を飛行した。そのデータと写真から土星には新たに輪が二つ見出され,磁気圏の中に帯状放射領域の存在もわかった。パイオニア 10号と 11号には,絵を刻んだ金メッキ板が載せられており,これらの人工探査機に出合う地球外生命体へのメッセージとなっている。さらに 1978年には2台のパイオニア・ビーナス探査機対 (12,13号) が打ち上げられ,同年末に目的地へ到達した。オービターと呼ばれる 12号は金星の雲と大気を調べ,レーダーによって金星表面の 90%以上の部分の地図を作成した。マルチプローブと呼ばれる 13号は,金星大気の物理的・化学的な性質を調べるために,一つの大きな観測機器と三つの小型の観測機器を大気中に投下した。

パイオニア

電気機器メーカー。1938年福音商会電機製作所として創業,1947年福音電機を設立して前社を吸収,1961年現社名変更スピーカーメーカーとして出発し,アンプ,レコードプレーヤ,テープデッキからステレオ・セットメーカーへと発展,カーステレオレーザーディスク,レーザーディスクソフト製造なども手がけた。2014年家庭用 AV機器事業から撤退し,カー・ナビゲーション・システムなどのカーエレクトロニクス専業メーカーとなった。

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改訂新版 世界大百科事典 「パイオニア」の意味・わかりやすい解説

パイオニア[株]

日本のオーディオ製品のトップ・メーカー。前身は1938年松本望によりスピーカーの製造を目的として東京に個人創業された福音電機製作所。41年改組され,有限会社福音電機製作所となる。第2次大戦後の47年に福音電機(株)を設立し,福音電機製作所を吸収合併した。50年には日本最初のハイファイスピーカー〈PE-8〉を開発し,スピーカーのパイオニアとしての基礎を確立する。61年,現社名に改称。翌62年高級セパレートステレオを開発し,部品メーカーから完成品メーカーへの本格的転身を行った。高度成長時代には趣味性の高いステレオの需要が増大し,同社の業績は飛躍的な伸長を遂げた。また,乗用車の急速な普及に着目し,カーステレオの分野にも進出し成功を収めている。近年は,オーディオ部門の低迷をカバーするために,レーザーディスク,CATV等の映像・情報分野にも進出し,総合映像音響メーカーを目指している。売上高の海外比率は68%。資本金490億円(2005年9月),売上高7336億円(2005年3月期)。
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日本の企業がわかる事典2014-2015 「パイオニア」の解説

パイオニア

正式社名「パイオニア株式会社」。英文社名「PIONEER CORPORATION」。電気機器製造業。昭和13年(1938)前身の「福音商会電機製作所」創業。同22年(1947)「福音電機株式会社」設立。同36年(1961)現在の社名に変更。本社は川崎市幸区新小倉。音響・映像機器メーカー。カーオーディオ製品やカーナビゲーションシステムが主力。東京証券取引所第1部上場。証券コード6773。

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デジタル大辞泉プラス 「パイオニア」の解説

パイオニア

《Pioneer》イギリス海軍の航空母艦。コロッサス級航空母艦。着工時の予定艦名は「エサリオン」。その後「マーズ」に変更され、進水後に「パイオニア」に改名された。1945年2月就役。1954年退役。

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世界大百科事典(旧版)内のパイオニアの言及

【宇宙開発】より

…地球にもっとも近い金星には,ソ連が1965年金星表面にペナントを送り込んで以来,82年までに14機のベネラVenera(金星の意)探査機を送り,金星の表面の探査においてはいつも先駆的役割を果たしてきた。一方,アメリカはマリナー10号(1973‐74)によって金星の上空の大気を測定し,パイオニア金星(1978)によって地表データを得ている。 火星より遠い,木星以遠の星と金星より太陽に近い水星とは,そこにいくためにいずれもロケットの能力が格段に大きいものが要求されるので〈深宇宙〉ということがある。…

【月】より

…計画は70年10月の8号まで実施され,探査機にはコムギやマツの種,バクテリア,カメ,ハエなどが乗せられていた。
[パイオニア]
 アメリカの月探査計画のごく初期に,パイオニアの名を冠した月探査機が打ち上げられているが,成功したのは1959年3月に打ち上げられ,バン・アレン帯や惑星間磁場の測定を行い月から約6万kmを通過して人工惑星になった重量6kgの4号のみで,1958年4月から12月までに発射された0~3号の4機および59年9月から60年12月の間に月の孫衛星を目ざして打ち上げられた4機のパイオニア・オービターはいずれも失敗しており,その後,月探査にパイオニアの名は使用されていない。パイオニア計画
[レンジャー]
 月面に重量300~370kgの探査機を命中させ,衝突直前まで月面のクローズアップ写真を撮るとともに,衝突による振動を搭載した地震計で計測するなど,月軟着陸のための準備的性格をもつアメリカのNASAによる計画。…

【土星】より

…美しい環をもつことで有名である。1979年9月1日,惑星探査器パイオニア11号が表面から2万1400kmまで接近したのをはじめとして,80年11月と81年8月にはボエジャー1,2号がそれぞれ12万4000kmと10万0800kmまで接近してテレビ撮影など詳しい観測を行った。 表面は木星と同様な縞模様が見られるが,表面重力が弱いのと太陽から遠く低温のため,木星より大気活動が弱く,渦や斑点も少なく模様は淡い。…

【パイオニア計画】より

…探査機(名称パイオニアPioneer)による月,惑星,あるいは惑星間空間の探査計画。0号から2号はアメリカ空軍,3号,4号はアメリカ陸軍が担当,以降はNASA(ナサ)によって行われた。…

【惑星】より

…また着陸探査体に搭載されたテレビカメラにより,金星表面が岩だらけの世界であり,意外に明るい(地球での曇りの日程度)ことを示す画像を伝送した。78年の打上げの際にはソ連がベネラ11,12号,アメリカがパイオニア・ビーナス1,2号と,計4機の探査機を金星に送った。ベネラ11,12号には雷の検知器が搭載され,平均として毎秒25回,合計約1000回の落雷を観測した。…

【音響機器工業】より

…60年代半ばまでは日本コロムビア,日本ビクターといった伝統を誇るメーカーや松下電器産業,東京芝浦電気(現,東芝)などの総合家電メーカーが業界をリードしていた。つづく60年代後半から70年代前半には,回路技術で先発大企業に差をつけたトリオ(現,ケンウッド),山水電気,パイオニア,あるいは赤井電機やティアック(この2社はおもにテープデッキ)といったオーディオ(音響)機器専業メーカーが先発の大企業を抑えてそのシェアを拡大した。このように戦後の日本の音響機器工業は大企業が先行し,後発の中小専業メーカーが追いかけリードする,といった他の家電産業にはみられない特異なパターンで成長を続けた。…

※「パイオニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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