コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

パリサイ派 パリサイはPharisaioi; Pharisees

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パリサイ派
パリサイは
Pharisaioi; Pharisees

パリサイ人,ファリサイ派,ファリサイ人ともいう。前2世紀のマカベア戦争直後から紀元1世紀頃にかけて存在したユダヤ教一派。語義は「分離した者」。ハシディーム派の敬虔な一派が祖という。律法厳守に徹して民衆や他宗派に接せず,ユダヤ教の創始者エズラに従い,口伝律法も成文律法と同様に権威を有するとしてその拘束性を主張。サドカイ派と異なり,非ユダヤ的なものに反対し,熱心党が目指したような政治闘争には加わらず,死後の応報,肉身のよみがえりを信じ,自由意志と予定の結合を唱えた。キリストの教説に反対し,福音書では偽善者と非難されるが,宗派としては純正な立場をとりシメオンザカリアスパウロなどすぐれた人材を擁していた。前2世紀から紀元 70年のエルサレム陥落まで勢力を保ち,ヘロデ大王の頃 6000人に達したという。しかし 70年以後も残存し,ラビの思想に影響を残した。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

パリサイ‐は【パリサイ派】

Pharisees
キリスト時代のユダヤ教の一派。律法を厳格に守り、細部に至るまで忠実に実行することによって神の正義の実現を追求した。その結果形式主義となり偽善に陥ったが、ユダヤ教を後世に伝承することになった。ファリザイ派
宗教や道徳で、形式に従うだけで、内容をかえりみない人。偽善者。形式主義者。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

パリサイ派【パリサイは】

前2世紀中葉,律法学者の指導下に興ったユダヤ教の一派。英語ではpharisees。パリサイとは元来〈分離派〉の意。イエスの時代にサドカイ派とならんで勢力があった。
→関連項目パウロ

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

パリサイは【パリサイ派 Pharisees】

ユダヤ教内の一教派で,エルサレム神殿奉仕期間中の祭司に課される諸規定を日常生活においても貫くため,一種の誓約共同体を構成した。パリサイとは元来〈分離派〉の意。その起源は前2世紀にさかのぼる。本来,平信徒の運動で,この派に属する律法学者が指導的な位置を占めた。口頭での父祖伝承をも含めて律法を日常生活の諸局面へ適合させるため〈合理化〉(M.ウェーバー)する一方,ダビデの家系のメシアの待望,復活信仰,最後の審判など旧約聖書の枠を超える教義も有した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

パリサイは【パリサイ派】

ギリシャ Pharisaioi 分離派の意〕
紀元前二世紀におこったユダヤ教の一派。律法の遵守を唱えその釈義に傾注し、宗教的な清めを強調、民衆の間に大きな勢力をもった。福音書ではイエスの論敵として描かれ、自己義認の傾向が激しく批判された。パリサイ人。ファリサイ派。
(転じて)偽善者。形式主義者。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パリサイ派
ぱりさいは
Permヘブライ語
Pharisaioiギリシア語
Pharisees英語

古代資料が伝えるユダヤ教三派の一つ。パリサイ、つまり「分離者」(ペルーシーム)という名称は、律法を守らない人々から自分たちを分離することを意味する。紀元前2世紀にはエッセネ派とともに敬虔(けいけん)派(ハシディーム)に属していたが、伝統的宗教に忠実でありながらも最高法院(サンヘドリン)の一翼を担い、祭司層を中核とする貴族富裕階級の保守的で妥協的なサドカイ派に対して、進歩的で独立的な庶民の利益を代表する立場にあった。彼らは伝統的な律法の理念を日常生活に具体化することのなかに自分たちの生き方をみいだし、律法を時代に即応したものに再解釈することに尽瘁(じんすい)した。その律法解釈と敷衍(ふえん)は「ミシュナ」としてのちに集大成され、彼らの思想的な流れはユダヤ教正統派のなかに継承されて今日に至っている。[石川耕一郎]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内のパリサイ派の言及

【ユダヤ教】より

…その結果,第2神殿時代を通じて,礼拝と律法研究のために,安息日(シャバット)ごとに各居住地の成員が集まるシナゴーグ(集会所)が発達した。パリサイ派律法学者たちは,シナゴーグを活動の本拠としていたため,神殿の破壊から本質的な打撃を被らなかった。彼らは海岸地方のヤブネに集まり,それまで神殿にあったサンヘドリン(議会)を再興して,律法と律法解釈に基づくユダヤ人共同体の形成・維持を続行した。…

※「パリサイ派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

パリサイ派の関連キーワードアレクサンドロス・ヤンナイオスヨハンネス・ヒュルカノス1世ヨハナン・ベン・ザッカイソロモンの詩篇ダマスカス文書サンヘドリンクムラン教団ガマリエルシャンマイキリスト教ヨセフス中間時代ニコデモヘロデ党カバラヒレル恩恵釈義論敵

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android