パータン(英語表記)Patan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パータン」の意味・わかりやすい解説

パータン
Patan

インド西部,グジャラート州北部の都市。アラバリ山脈とカンベイ湾に挟まれたサラスワティー川沿いの低地に位置する。720~1242年にはチャバダ朝およびチャウルキヤ朝(ソーランキー朝)の首都であったが,その間の 1024年にガズニー朝マフムードによって破壊された。農作物の取り引きの中心地で,紡績綿織物,刺繍,木彫りや象牙彫刻などの産業が発達している。手織りの絹はインドで最高級とされ,パトラ patolaと呼ばれる色鮮やかで複雑なデザインの儀式用サリーに使われる。12世紀のジャイナ教の学者ヘーマチャンドラを記念するヘーマチャンドラ・ノース・グジャラート大学や医科大学をはじめいくつかの高等教育機関がある。観光資源としては,2014年に世界遺産に登録された 11世紀建造のラニ・キ・バブ Rani ki Vav(王妃の階段井戸)がある。これは 1060年頃にチャウルキヤ朝の王妃であったウダヤマティが,王である夫を追悼するために建設を依頼したものといわれ,奥行 64m,幅 20mの巨大なものである。完成間近に破滅的な洪水に見舞われ,1000年近く泥や砂の下に埋もれていたが,1980年代に発掘調査や構造物の修復が行なわれた。洪水後に露出していた最上部の柱は,18世紀につくられた近隣のバハードゥル・シン・キ・バブ Bahadur Singh ki Vavの部材に使用されていた。人口 13万3737(2011)。

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改訂新版 世界大百科事典 「パータン」の意味・わかりやすい解説

パータン
Pātan

ネパールカトマンズ盆地南部のラリトプル郡の中心都市。ラリトプルLalitpurともいう。人口16万(2001)。盆地内の現存都市中最も古く,ほかの都市の伸長以前は首都となることが多かった。町は小宇宙として計画的につくられ,東西南北のはずれ(および現存はしないが中心)に半球形に土を盛り上げた大きなストゥーパが配置され,中心に王宮がある。これらのストゥーパはアショーカ・ストゥーパと呼ばれることが多いが確証はない。町中には仏教そのほかの寺院や高カースト仏教徒の居住区(バハBāha)が多くみられる。住民はほとんどネワールで多数のカーストに分かれ,農業人口が多いが,金属細工師の活動はとくに有名である。
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百科事典マイペディア 「パータン」の意味・わかりやすい解説

パータン

パール東部,バグマティ川河岸の都市。ラリトプルLalitpurとも。カトマンズの南に接する7世紀以来のネワール人の古都小麦,米など農産物集散地。町の東西南北と中央(現存しない)にストゥーパがある。15世紀初めのマチェンドラナート寺,16世紀のマハー・ブダ寺がある。住民はほとんどネワール人で,金属細工が有名。7万9875人(1981)。

パータン

巴塘

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デジタル大辞泉プラス 「パータン」の解説

パータン

杉本屋製菓株式会社が販売する菓子、「まけんグミ」のキャラクター。じゃんけんのパーの形をしている。

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