翻訳|piston
流体の圧力を受け,あるいは流体を圧縮しながらシリンダー内を往復運動し,流体との間にエネルギーの授受を行う往復式機械の主要部分。円板もしくは比較的高さの低い円筒形状のものが多い。この往復運動と回転運動の変換は,一般の往復式内燃機関のように,連接棒とクランク機構によるのがふつうであるが,油圧ポンプなどでは斜板機構も用いられる。また連接棒がピストン本体のもつピストンピンに直接連結されるもの(トランク型)とクロスヘッドおよびピストンロッドを介して連接棒が連結されるもの(クロスヘッド型)とがある。後者には,ピストンとシリンダー間に不要な反力を生ずることがない,ピストンの両側で仕事をさせる(複動式機関)のにつごうがよいなどの利点があるが,高速機関には不向きであり,蒸気機関のすたれた現在では,舶用大型低速機関にしか適用されていない。中・小型の機関のうち,高速機関ではピストンの質量の小さいことが肝要で,アルミ合金製のものが好まれる。これに対し比較的大型のディーゼルエンジンでは,質量よりも,機械負荷,熱負荷などに対する耐久性が重視され,ピストン頂部もしくはピストン全体を鋳鉄あるいは鋳鋼で製作する。ピストンに付随して重要な働きをするのはピストンリングで,ピストンとシリンダー間の気密,潤滑,伝熱(放熱)を受けもつ。ピストンリングは,ピストンの外周に設けられたリング溝にはめられる鋳鉄もしくは鋼製のリングで,自己張力によりシリンダー内面に対して接触圧力をもつ。一般に気密保持を担う圧力リングと潤滑油の燃焼室への侵入を防ぐ油かきリングが併用される。
執筆者:酒井 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
…内燃式は燃料と空気の混合物よりなる作動流体そのものを着火・燃焼させ,高温高圧の作動ガスを得る方式である。内燃式のうち作動流体を一定容積のシリンダー内で燃焼させ,ピストン・クランク機構(またはローター偏心軸機構)により膨張仕事を取り出すことを繰り返す方式を容積形といい,一方,作動流体を燃焼室内で連続的に燃焼させ,得られた高温・高圧の燃焼ガスを高速で回転羽根車にふきつけて仕事を取り出す方式を速度形という。いずれの方式も作動流体の冷却は,これを大気(低温熱源)へ放出することにより行っている。…
※「ピストン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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