おもにヨーロッパでネズミの駆除やアナウサギ狩りに使われてきたイタチに似て,全身白色の家畜化された動物。食肉目イタチ科の哺乳類。ときに淡黄色の個体もある。ヨーロッパケナガイタチを祖先にもつと考えられる。体型や基本的な性質はケナガイタチによく似ている。体長31~35cm,尾長11~13cm。すでに前4世紀に飼育下で繁殖され,人によくなれ活発に遊ぶことから,ネズミをはじめとする齧歯(げつし)類の害への対応策として,今日のネコのように飼われるか,あるいは訓練したうえで,細い体の利点を利用してアナウサギの巣穴に潜らせ,地中から追い出すのに使われていた。しかし,イタチ類独特の強い体臭があることからしだいに飼われなくなっている。夜行性の傾向があるが,祖先のヨーロッパケナガイタチほどその傾向は強くなく,昼間もよく動く。19世紀にはニュージーランドに移入されて野生化しており,フィッチfitchと呼ばれる良質の毛皮を利用するために狩猟される。実験動物としても広く用いられている。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ヨーロッパ東部から中国北東部,チベットまでの草原,半砂漠にすむ近縁のステップケナガイタチMustela eversmanni(英名steppe polecat)は,淡色で尾の先半分だけが黒い。家畜のフェレットMustela furo(英名ferret)の原種といわれるが,染色体が違う。北アメリカのクロアシイタチMustela nigripesにも酷似するが,これとも別種らしい。…
…産子数は1~13匹(平均8匹)。(6)フェレットferret 食肉目イタチ科ムステラ属。ジステンパー研究用に実験動物化され,インフルエンザ研究用に重用されている。…
…ヨーロッパ東部から中国北東部,チベットまでの草原,半砂漠にすむ近縁のステップケナガイタチMustela eversmanni(英名steppe polecat)は,淡色で尾の先半分だけが黒い。家畜のフェレットMustela furo(英名ferret)の原種といわれるが,染色体が違う。北アメリカのクロアシイタチMustela nigripesにも酷似するが,これとも別種らしい。…
…産子数は1~13匹(平均8匹)。(6)フェレットferret 食肉目イタチ科ムステラ属。ジステンパー研究用に実験動物化され,インフルエンザ研究用に重用されている。…
※「フェレット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新