フルオレセイン

化学辞典 第2版「フルオレセイン」の解説

フルオレセイン
フルオレセイン
fluorescein

9-(2-carboxyphenyl)-6-hydroxy-3H-xanthen-3-one.C20H12O5(332.31).レソルシノール 2モル量と無水フタル酸1モル量とを塩化亜鉛の存在下,210 ℃ に加熱縮合して合成する.赤色粉末.融点314~316 ℃.水に不溶,エタノールに微溶.アルカリ性水溶液に溶けて黄赤色を呈し,強い黄緑色の蛍光を発する.二ナトリウム塩はウラニン(uranin)またはウラニンイエロー(I.C.Acid Yellow 73)とよばれる.吸収極大510 nm,蛍光極大510 nm.染料顔料,およびその中間体.印刷インキに用いられるほか,蛍光を利用し,地中水路の探索,生化学反応の追跡,医療(内科,外科,眼科)上の検査などにプローブとして広く利用される.ナトリウム塩はLD50 6721 mg/kg(ラット経口).[CAS 2321-07-5][CAS 518-47-8:二ナトリウム塩]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「フルオレセイン」の解説

フルオレセイン
fluorescein

化学式 C20H12O5 。黄赤色ないし赤色の粉末。融点 314~316℃。水,ベンゼン,クロロホルムエーテルに不溶で,熱アルコール,酢酸可溶。アルカリ水溶液は淡い黄色であるが,強い緑色ケイ光を示す。ハロゲンイオンを銀滴定するときの吸着指示薬中和滴定の際のケイ光指示薬として用いられるほか,河川水,井戸水などに含まれる微量アンモニア検出にも用いられる。このケイ光はケイ光光度計を用いれば非常に微量まで定量できるので,河川水,地下水流の調査にトレーサーとして用いることもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「フルオレセイン」の解説

フルオレセイン
ふるおれせいん
fluorescein

黄色の酸性染料であるが、水溶液中で吸収した光を強い緑黄色の蛍光(530~570ナノメートル)に変えて発光するので、蛍光fluorescenceに由来してこの名がある。このためにフルオレセイン溶液は緑黄色にみえる。1871年、インジゴの合成で有名なドイツのバイヤーが創製した。蛍光は媒体の性質や吸着の状態で強度が敏感に変化しうるので、蛍光指示薬として用いられる。誘導体に赤色のエオシン、ローズベンガルなどがある。

[飛田満彦]


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百科事典マイペディア「フルオレセイン」の解説

フルオレセイン

無水フタル酸とレゾルシンを塩化亜鉛の存在下に加熱縮合して得られる赤色粉末。水には溶けないが,希アルカリに溶けて黄色になり,緑色の蛍光を発する。これを臭素化すればエオシン,ヨウ素化すればエリスロシンという赤色色素になる。蛍光を手がかりに医学検査や化学反応の追跡に利用される。(図)

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世界大百科事典 第2版「フルオレセイン」の解説

フルオレセイン【fluorescein】

黄色の酸性染料の一種で,分子中にカルボン酸基をもち,遊離酸は油溶染料。ナトリウムNa塩,カリウムK塩はウラニンuranineと呼ばれ,蛍光染料,浴剤,吸着指示薬,蛍光指示薬などに使用される。レゾルシンと無水フタル酸を塩化亜鉛,硫酸の存在で加熱縮合して合成し,必要によりナトリウム塩またはカリウム塩とする。フルオレセインはアルカリ性水溶液で,非常に強い蛍光を呈する。この蛍光は微量の染料でも著しく輝いて目立ち,そのため海面に蛍光で標識をつけることができるので,古くから海難救助用の標識剤としても著名である。

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