出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
スープのもとに使う,牛や鶏の肉,これらの骨に,香味野菜,香辛料などを加えて水から煮出した汁。本来はフランス語で,沸騰するという意味のブイイールbouillirに由来し,材料はなんであれ,それを水に入れて沸騰させて得られた煮汁のことを指す。
基本的な作り方は次の通り。でき上がり約5l分として,なべに牛のすね肉1.5kg,鶏肉1/2羽,鶏がら3羽,水10lを入れ,強火にかけ沸騰したら弱火にしてあくを取る。そこへクローブ2本をさしたタマネギ1個,ニンジン1.5本,セロリ1.5本,ポロネギ(リーキ)2本,ブーケ・ガルニ(ベーリーフ1枚,タイム小2枝,パセリの茎数本,ポロネギの青い部分1本を束ねたもの)および白粒コショウ20粒,ニンニク3かけを加え,弱火であくをとりながら4~5時間煮込む。これがポトフーで,この煮汁を布でこしたものがブイヨンになる。スープの種類によっては魚の身やあらを用いることもある。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
野菜、肉、骨、魚貝類の煮だし汁のこと。西洋料理のもっとも重要な基本の材料の一つで、ソースやスープのもとになる。通常、肉(牛肉、鶏肉、子牛肉などを1種または組み合わせて使う)、香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリ、パセリ、リーキネギなど)、スパイス、食塩少量を鍋(なべ)に入れて水を加え、火にかけてゆっくりと煮だす。あくや浮き脂肪をすくいとりながら、鶏肉1~2時間半、牛肉3時間以上、牛骨8時間以上火にかけて、うま味を引き出す。この漉(こ)し分けた汁をブイヨンとよび、コンソメやソースの素汁に用いたり、調味してスープとして食卓に出す。魚のブイヨンは白身魚の中骨を香味野菜、レモン、白ワインとともに、水から煮だして漉したもので、魚料理の下地に用いる。
[小林文子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これらはいずれも呈味成分として知られており,うま味に富み,スープベースやだしとして古くから用いられてきた。 欧米においては各家庭特有のブイヨンbouillon(牛肉,鶏肉などでとっただし)をつくり,スープ,ソースなどのベースとして用いており,東洋においても,中国料理では豚骨,鶏がらあるいは魚介類などでとっただしが湯(タン)などのベースとして昔から利用されている。日本でも,カツオ,コンブなどの煎汁(いろり)が昔から利用され,これが鰹節やだし昆布などの調味用食品として発展してきた。…
…西洋料理の汁物の総称。現在では主として牛肉や鶏肉,または魚の骨やあらに香味野菜を加え,煮出してとっただし(ブイヨン)をベースとし,これを澄ませたり,野菜や肉,魚などをさまざまな形で加えたりした液状の食物を指す。英語のスープの語源となったフランス語スープsoupeは,もともと〈ブイヨンに浸して食べるパン切れ〉のことで,12世紀ころからこの意味で用いられ,14世紀になると〈パン入りのブイヨン〉を意味するようになった。…
…これらはいずれも呈味成分として知られており,うま味に富み,スープベースやだしとして古くから用いられてきた。 欧米においては各家庭特有のブイヨンbouillon(牛肉,鶏肉などでとっただし)をつくり,スープ,ソースなどのベースとして用いており,東洋においても,中国料理では豚骨,鶏がらあるいは魚介類などでとっただしが湯(タン)などのベースとして昔から利用されている。日本でも,カツオ,コンブなどの煎汁(いろり)が昔から利用され,これが鰹節やだし昆布などの調味用食品として発展してきた。…
※「ブイヨン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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