ヘイデンスタム(その他表記)Verner von Heidenstam

デジタル大辞泉 「ヘイデンスタム」の意味・読み・例文・類語

ヘイデンスタム(Carl Gustav Verner von Heidenstam)

[1859~1940]スウェーデン詩人小説家ロマン主義的、理想主義的作風で祖国への愛をうたった。1916年ノーベル文学賞受賞。詩集巡礼遍歴歳月」、小説「カロリーネナ」など。

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精選版 日本国語大辞典 「ヘイデンスタム」の意味・読み・例文・類語

ヘイデンスタム

  1. ( Karl Gustav Verner von Heidenstam カール=グスタフ=ベルナー=フォン━ ) スウェーデンの詩人。詩集「巡礼と遍歴の歳月」で北欧文学新ロマン主義新風を吹き込み、スウェーデン文壇中心として活躍した。一九一六年ノーベル文学賞受賞。(一八五九‐一九四〇

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘイデンスタム」の意味・わかりやすい解説

ヘイデンスタム
Verner von Heidenstam
生没年:1859-1940

スウェーデンの作家,詩人。南部の貴族領地に生まれたが,病弱のため青春時代を南ヨーロッパ,オリエント諸国で過ごし,詩集《巡礼と遍歴の歳月》(1888),小説《エンデュミオン》(1889)で文壇に登場。異国的情緒豊かなその幻想美は,彼をロマン派運動の旗手たらしめた。小説の代表作として《ハンス・アリエーヌス》(1892)があり,抒情詩人としては《詩集》(1895)で一つの完成した境地に達した。その他,評論《スウェーデン人気質》(1897),カール12世主題とした歴史小説《カロリーネナ》(1897-98),さらに《新詩集》を出した1916年にはノーベル文学賞を受賞した。そのおりにナショナリストという評を受けたが,それはいわば彼の貴族趣味とでもいうべき性格に向けられたものである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘイデンスタム」の意味・わかりやすい解説

ヘイデンスタム
Heidenstam, (Carl Gustaf) Verner von

[生]1859.7.6. オルシャマル
[没]1940.5.20. エーブラリド
スウェーデンの詩人,小説家。 1916年ノーベル文学賞受賞。病弱のため 17歳のとき南ヨーロッパ,近東の旅に出,この間画家を志してパリで J.ジェロームに学んだこともある。 1887年帰国,父の地所を継ぐかたわら詩作を始め,翌年,近東の旅の印象を綴った詩集『巡礼と放浪の歳月』 Vallfart och vandringsårでデビュー。『詩集』 Dikter (1895) 出版の頃から,次第に愛国的傾向を帯び,歴史小説『カール王の軍兵』 Karolinerna (2巻,97~98) ,『フォルクング族』 Folkungaträdet (1905~07) などを書いた。ほかに小説『ハンス・アリエヌース』 Hans Alienus (1892) ,『聖ビルイッタの巡礼』 Den heliga Birgittas pilgrimsfärd (1901) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘイデンスタム」の意味・わかりやすい解説

ヘイデンスタム
へいでんすたむ
Cale Gustaf Verner von Heidenstam
(1859―1940)

スウェーデンの作家。南部の貴族領に生まれる。病弱のため青春時代を南欧、オリエントの諸国で過ごし1887年帰国。異国的情緒と幻想美の詩集『巡礼と遍歴の歳月』(1888)、小説『エンデュミオン』(1889)でロマン派の旗手として登場。美の探求の巡礼『ハンス・アリエーヌス』(1892)が小説の代表作。叙情詩人としては、『詩集』(1895)で完成した境地を示し、当時急速に工業化が進んだこの国で滅びゆく荘園(しょうえん)文化への哀惜の念を基調とする。評論『スウェーデン人気質(かたぎ)』(1897)、カール12世をテーマとした歴史小説『カロリーネナ』(1897~98)では自国民のもつ剛毅(ごうき)な性格を強調した。『新詩集』(1916)出版後、同年ノーベル文学賞受賞。ナショナリストの評があるが、それは彼の貴族趣味の反映というべきもので、国粋主義者の意ではない。

[田中三千夫]

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百科事典マイペディア 「ヘイデンスタム」の意味・わかりやすい解説

ヘイデンスタム

スウェーデンの詩人,作家。青年期にオリエント旅行ののち,南欧に居住,郷土で晩年を過ごす。処女詩集《巡礼と遍歴の歳月》(1888年)のほか詩集数編,カール12世を扱った歴史小説《カロリーネナ》(1897年―1898年)など。1916年ノーベル文学賞受賞。その後の著作はほとんどない。

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