ヘロデ(英語表記)Herod

翻訳|Herod

百科事典マイペディアの解説

ヘロデ

ユダヤ王(在位前37年―前4年)。〈大王〉と通称される。ローマの有力者によって王に任ぜられ,エルサレムを奪還,専制政治を行い,エルサレム神殿を大改修し,多くの都市を建設した。猜疑心から妃と実子3人を死刑に処した。イエス・キリストの成長を恐れてベツレヘムの嬰児(えいじ)を殺害したと伝えられる。
→関連項目イエス・キリストエルサレム神殿ヘロデ・アンテパスマサダムンク

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世界大百科事典 第2版の解説

ヘロデ【Herod】

前73ころ‐後4
ユダヤ王。在位,前37‐後4年。通常〈ヘロデ大王〉と称される。ユダヤの南に隣接したイドゥメアの出身。ハスモン家の王位継承争いに乗じ,ローマの有力者の援助を受けて王に任命された。生涯,ローマの忠実な属王として全パレスティナの支配を委託されたが,恐怖政治によって異邦人の支配に反抗するユダヤ人を弾圧したため,ユダヤ人からは激しく憎悪された。しかし,冷酷で巧妙な支配によって民衆の反乱を防ぎ,大祭司を自由に任免して,ユダヤ人共同体の中心であったエルサレム神殿の運営を掌握した。

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大辞林 第三版の解説

ヘロデ【Herod】

前73頃~前4) ユダヤの王(在位 前37~前4)。専制支配を行い、ヘレニズム文化を擁護、エルサレム神殿を改修する。イエスの誕生を恐れベツレヘムの幼児を虐殺したとマタイ福音書に記される。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ヘロデ

(Herode) ユダヤ王(在位前三七‐前四)。通称ヘロデ大王。専制政治を行なう一方、ギリシア・ローマ文化の移入に努め、エルサレム神殿の再建などを行なった。キリスト降誕を恐れてベツレヘムの幼児を多数虐殺したと伝えられる。(前七三頃‐前四

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世界大百科事典内のヘロデの言及

【エルサレム】より

…この区域はもとソロモンの建立した第一神殿,またバビロン捕囚後に再建された第二神殿があった場所で,モリヤMoriahの丘とも呼ばれた。ハラム・アッシャリーフを囲む東・南・西側の壁は,ヘロデ王時代以来のものと見られるが,その西壁(ハ・コテル・ハマーラウィー)には第一神殿の遺構があると考えられ,近代においてユダヤ教徒はこれを〈嘆きの壁〉として特に重要視するようになった。旧市街にはイエスの十字架の死を記念する聖墳墓教会(ゴルゴタの丘の跡にあるとも信じられている)をはじめ,キリスト教の聖地が多数存在する。…

【ヘロディウム】より

…エルサレムから南へ約12km,ベツレヘムの南東約4kmの地点にある人工の丘(標高718m)で,ヘロデ大王が築いた要塞宮殿の跡(前15年ころ完成)。ユダヤ戦争(第1次66‐70年,第2次132‐135年)のときには,ユダヤ反乱軍の拠点となった。…

【ユダヤ教】より

…信仰を守るため蜂起したユダヤ人は,マカベア党を中心とする反乱(マカベア戦争)を起こし,長い苦闘の末,マカベア(ハスモン)家によるユダヤの独立を回復した。しかし前63年には,ユダヤはローマの属領となり,ローマの属王ヘロデの支配を受けた。過酷なヘロデの支配に続いて,ローマ人総督が悪政の限りを尽くしたため,ついにユダヤ人は大反乱を起こした(ユダヤ戦争。…

【幼児虐殺】より

…嬰児(えいじ)虐殺ともいう。ベツレヘムにユダヤ人の王となる救世主が生まれたことを知ったヘロデ大王は,それを確かめるため,東方から来た三博士を遣わす。幼児イエスを拝んだ博士たちは夢のお告げでヘロデの悪意を知ると,彼のもとには戻らずにそのまま故国に帰る。…

※「ヘロデ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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