ベンジルアルコール

化学辞典 第2版「ベンジルアルコール」の解説

ベンジルアルコール
ベンジルアルコール
benzyl alcohol

benzenemethanol.C7H8O(108.13).C6H5CH2OH.天然には,ジャスミンイランイランアカシアなどの多くの花精油中に遊離または酢酸安息香酸,ケイ皮酸などのエステルの形で存在している.合成するには,塩化ベンジル加水分解するか,ベンズアルデヒドの還元やカニッツァーロ反応によってつくることができる.芳香をもつ液体.融点-15.3 ℃,沸点206 ℃.1.0493.1.5426.アルコール系およびベンゼン系の多くの有機溶媒に可溶,水に微溶.空気中の酸素で徐々に酸化され,ベンズアルデヒドを経て安息香酸を生じる.化粧品やせっけん用の香料として用いられるほか,保留剤として,ジャスミン,その他香料の調合など,香料工業において広く使われる.局所麻酔性,防腐性があるので,注射剤の調整にも利用される.[CAS 100-51-6]

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日本大百科全書(ニッポニカ)「ベンジルアルコール」の解説

ベンジルアルコール
べんじるあるこーる
benzyl alcohol

芳香族アルコールのもっとも簡単な構造の化合物。フェニルメタノール、フェニルカルビノールともいう。ある種の花精油には遊離のアルコールの形で存在し、またジャスミンの花の精油には酢酸エステルの形で含まれる。塩化ベンジルの加水分解により得られる。弱い芳香をもつ無色の液体で、水にはほとんど溶けないが、アルコールやエーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。空気中では酸化されてベンズアルデヒドを経て安息香酸を生ずる。化粧品やせっけんの香料に利用される。

[徳丸克己]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ベンジルアルコール」の解説

ベンジルアルコール
benzyl alcohol

濃度水溶液は局所麻酔作用を示すが,高濃度では局所刺激作用を示す。殺菌作用も有する。局所麻酔作用と消毒作用に基づいて 10%の軟膏あるいはエタノール,水,ベンジルアルコールの等量のローションが止痒の目的で用いられる。歯痛の鎮痛の目的で歯髄,う歯腔に点滴する。注射液皮下あるいは筋肉内に注射したときに起る疼痛を緩和する目的では1~4%の割合で注射液に加えられる。毒性は低く,生体内ですみやかに酸化されて安息香酸となり,馬尿酸として排泄される。

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百科事典マイペディア「ベンジルアルコール」の解説

ベンジルアルコール

最も簡単な芳香族アルコールC6H5CH2OH。弱い芳香を有する無色の液体。融点−15.5℃,沸点205.41℃。水,エタノールに可溶。ジャスミンその他の精油中にエステルとして含まれる。香料,溶剤,局所麻酔剤として用いられる。塩化ベンジルの加水分解,またはベンズアルデヒドの還元でつくる。(図)

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精選版 日本国語大辞典「ベンジルアルコール」の解説

ベンジル‐アルコール

〘名〙 (benzyl alcohol) 弱い芳香のある無色の液体。化学式は C6H5CH2OH 天然にも花精油などに存在する。芳香族アルコールの一つ。香料、医薬品防腐剤などに用いる。

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世界大百科事典 第2版「ベンジルアルコール」の解説

ベンジルアルコール【benzyl alcohol】

最も簡単な芳香族アルコール。弱い芳香をもつ無色の液体で,融点-15.5℃,沸点205.41℃。アカシアの花精油中に遊離状でみられるほか,ジャスミン,クチナシの花精油,丁字油などにエステルの形で存在する。ベンズアルデヒドの還元あるいは塩化ベンジルのアルカリ加水分解によって得られる。空気により酸化され,徐々にベンズアルデヒドから安息香酸となる。アルコール系,ベンゼン系の多くの溶媒に溶ける。化粧品,セッケン用香料として,人造花精油の調合剤として用いられる。

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