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ペタン Pétain, (Henri) Philippe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペタン
Pétain, (Henri) Philippe

[生]1856.4.24. パドカレー,コシーアラトゥール
[没]1951.7.23. ユー島
フランスの軍人,政治家。陸軍士官学校卒業。戦術論が軍上層部にいれられず昇進が遅れ,58歳で将軍となったが,第1次世界大戦中のベルダンの武勲で一躍名をなし,1918年元帥,20~31年最高軍事評議会議副議長。 C.ドゴールはここでの輩下。 34年 G.ドゥーメルグ内閣の陸相。 39年スペイン大使。 40年5月 P.レイノー内閣の副首相,次いで6月パリ陥落後みずから組閣し,即座にドイツに休戦を申入れ,6月 22日休戦条約に調印。政府所在地をビシーに移した。7月 10日国民議会は圧倒的多数で当時 84歳の「ベルダンの英雄」ペタンへの全権委任の法律を可決。 40~44年敗戦フランスの南半分を管轄するビシー政府国家主席となった。 45年ドゴール政権のもとで死刑を宣告されたが,終身刑減刑され,ユー島の獄中で死亡。

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世界大百科事典 第2版の解説

ペタン【Henri Philippe Omer Pétain】

1856‐1951
フランスの軍人,政治家。パ・ド・カレー県に生まれる。1914年の第1次世界大戦開始前夜すでに58歳で,退役寸前の大佐にすぎなかったが,大戦初期の戦闘で功績を示し,将軍となる。当時,陸軍指導部が攻勢作戦による短期決戦中心の戦争理論によっていたのに対し,日露戦争の経験をふまえて防御を固め消耗戦に耐える陣地戦を主張,16年,ドイツ軍の攻勢をベルダンで支えて勝利を収め,名声を博した。翌年,陸軍総司令官に任じられ,18年に元帥となる。

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大辞林 第三版の解説

ペタン【Henri Philippe Pétain】

1856~1951) フランスの軍人・政治家。ベルダン攻防戦でドイツ軍を撃退し、第一次大戦の国民的英雄となる。1940年首相となり、ドイツに降伏してビシー政府を樹立し、第三共和制を廃した。第二次大戦後、戦犯として終身刑。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ペタン
ぺたん
Philippe Ptain
(1856―1951)

フランスの軍人、政治家。陸軍士官学校、陸軍大学に学ぶ。陸軍大学教官(1901~1910)として歩兵学を講じたが、火力の優越を重視するその理論は当時支配的であった積極攻勢論にあわず、第一次世界大戦勃発(ぼっぱつ)時は大佐にとどまっていた。開戦とともに戦功を収め急速に昇進し、1916年第二軍司令官としてドイツ軍猛攻下のベルダン要塞(ようさい)を死守して「ベルダンの勝利者」とたたえられ、その端正な風貌(ふうぼう)と相まって国民的英雄となった。1917年には全フランス軍の総司令官に就任し、出口のみえない戦争に絶望したフランス軍兵士の相次ぐ不服従運動を温情的処置により抑え、体制の危機を防いだ。大戦終了時に元帥となった彼は、1925~1926年モロッコのリフ人の大反乱を鎮圧し、陸相(1934)、駐スペイン大使(1939~1940)を歴任しフランス陸軍の大御所的存在であったが、第一次世界大戦の経験にとらわれてドゴールの戦車師団重視の理論を軽視する誤りを犯した。1940年春のドイツ軍の大攻勢の最中にレーノー内閣に副首相として入閣し、やがて自ら首相に就任して対独休戦を実現した。ビシー時代には国家元首として「労働、家族、祖国」をスローガンとする権威主義体制の樹立を目ざす一方、強いられてではあったが対独協力政策を実行し、しだいにレジスタンス運動と敵対した。フランス解放後、対敵協力の罪で死刑を宣せられたが、ドゴールにより終身禁錮刑に減ぜられ、服役中に死亡した。[平瀬徹也]

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世界大百科事典内のペタンの言及

【ビシー体制】より

… 1940年6月22日降伏し停戦協定が調印された結果,フランスはパリを含む北部および大西洋岸一帯をドイツ軍の占領地区,中南部を〈自由地区〉として分断され,6月10日以来パリを退去してボルドーにあった政府は,6月末日中部の温泉地ビシーにその所在地を移した。停戦協定に調印したのは時の首相ペタン元帥であったが,7月10日彼は国民議会の投票(569票対80票)によって第三共和政に終止符をうち,〈フランス国家État français〉の名で新政体を発足させる憲法上の全権を付与され,翌日国家主席の地位についた。こうして成立した新政府は,〈労働・家族・祖国〉をスローガンにかかげて,〈国民革命〉をうたった。…

※「ペタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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